本記事では、第二種電気工事士筆記試験のうち「平成26年度上期 問11~20」について解説する。
問11
組み合わせて使用する機器で、その組合せとして、明らかに誤っているものは。
イ.ネオン変圧器と高圧水銀灯
ロ.零相変流器と漏電警報器
ハ.光電式自動点滅器と庭園灯
ニ.スターデルタ始動器と一般用低圧三相かご形誘導電動機
解説
- 「イ」は誤りで、ネオン管灯にはネオン変圧器が用いられる(高圧水銀灯ではない)。
- 「ロ」は正しく、庭園灯には光電式自動点滅器を取りつける。
- 「ハ」は正しく、漏電警報器は、零相変流器で地絡を検出する。
- 「ニ」は正しく、一般用低圧三相かご形誘導電動機の始動用には、スターデルタ始動器が用いられる。
よって「イ」が正解となる。
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類題
問12
金属管工事において、絶縁ブッシングを使用する主な目的は。
イ.金属管を造営材に固定するため。
ロ.金属管相互を接続するため。
ハ.電線の被覆を損傷させないため。
ニ.電線の接続を容易にするため。
解説
絶縁ブッシングは金属管に通線した電線の被覆が損傷しないように、金属管端に取り付け、電線を保護するために用いられる。
よって「ハ」が正解となる。
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類題
問13
低圧の地中配線を直接埋設式により施設する場合に使用できるものは。
イ.屋外用ビニル絶縁電線(OW)
ロ.$600\mathrm{V}$ビニル絶縁電線(IV)
ハ.引込用ビニル絶縁電線(DV)
ニ.$600\mathrm{V}$架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV)
解説
- 「イ」の「屋外用ビニル絶縁電線(OW)」は使用できない。
- 「ロ」の「$600\mathrm{V}$ビニル絶縁電線(IV)」は使用できない。
- 「ハ」の「引込用ビニル絶縁電線(DV)」は使用できない。
- 「ニ」の「$600\mathrm{V}$架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV)」は、地中配線に使用できる。
表 電線・ケーブルの概要と許容温度
電線・ケーブル | 説明 | 許容温度(℃) |
---|---|---|
600Vビニル絶縁電線(IV電線) | 主に屋内配線に使われる絶縁電線。 | $60^\circ\mathrm{C}$ |
600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形(VVFケーブル) | 屋内、屋外、地中で使えるケーブル。 ※VVFケーブルは平らになっている。 | $60^\circ\mathrm{C}$ |
600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形(VVRケーブル) | 屋内、屋外、地中で使えるケーブル。 ※VVRケーブルは丸くなっている。 | $60^\circ\mathrm{C}$ |
600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形(EM-EEFケーブル) | 屋内、屋外、地中で使えるケーブル。 ※燃焼時に有害ガスを発生しないケーブルで、エコケーブルとも呼ばれているケーブル。 | $75^\circ\mathrm{C}$ |
600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CVケーブル) | 屋内、屋外、地中で使えるケーブル。 | $90^\circ\mathrm{C}$ |
よって「ニ」が正解となる。
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類題
問14
金属管(鋼製電線管)工事で切断及び曲げ作業に使用する工具の組合せとして、適切なものは。
イ.やすり 金切りのこ パイプベンダ
ロ.リーマ パイプレンチ トーチランプ
ハ.リーマ 金切りのこ トーチランプ
ニ.やすり パイプレンチ パイプベンダ
解説
金属管工事で切断に使用する工具は金切りのこである。
そして、その切断面はやすりで仕上げ、曲げにはパイプベンダを用いる。
なお、トーチランプは、合成樹脂管(硬質塩化ビニル電線管)を炎で熱して曲げる工具であるので、適切ではない。
また、パイプレンチは、金属管工事であるがカップリングなどを金属管に付ける際、管を回すときに使用するものである。
よって「イ」が正解となる。
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類題
問15
住宅で使用する電気食器洗い機用のコンセントとして、最も適しているものは。
イ.接地端子付コンセント
ロ.抜け止め形コンセント
ハ.接地極付接地端子付コンセント
ニ.引掛形コンセント
解説
食器洗い機は水を使用するため、接地極と接地端子の2つが付いているコンセントを使用する必要があり、接地極付接地端子付コンセントが使用に適している。
よって「ハ」が正解となる。
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類題
問16
写真に示す材料の用途は。
イ.硬質塩化ビニル電線管相互を接続するのに用いる。
ロ.鋼製電線管と合成樹脂製可とう電線管とを接続するのに用いる。
ハ.合成樹脂製可とう電線管相互を接続するのに用いる。
ニ.合成樹脂製可とう電線管と硬質塩化ビニル電線管とを接続するのに用いる。
解説
写真の材料は合成樹脂製可とう電線管用カップリングである。
- 「イ」の「硬質塩化ビニル電線管相互を接続する」用途に使用されるのは「TSカップリング」である。よって、誤り。
- 「ロ」の「鋼製電線管と合成樹脂製可とう電線管とを接続する」用途に使用されるのは「違う種類の電線管を接続する」ときに「コンビネーションカップリング」が使用される。よって、誤り。
- 「ハ」の「合成樹脂製可とう電線管相互を接続する」用途に使用される。正しい。
- 「ニ」の「合成樹脂製可とう電線管と硬質塩化ビニル電線管とを接続する」「違う種類の電線管を接続する」ときに「コンビネーションカップリング」が使用される。よって、誤り。
よって「ハ」が正解となる。
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類題
問17
写真に示す工具の用途は。
イ.ホルソと組み合わせて、コンクリートに穴を開けるのに用いる。
ロ.リーマと組み合わせて、金属管の面取りに用いる。
ハ.羽根ぎりと組み合わせて、鉄板に穴を開けるのに用いる。
ニ.面取器と組み合わせて、ダクトのバリを取るのに用いる。
解説
写真の工具は、クリックボールである。
リーマや羽根ギリなどを先端に取り付け、金属管切断面の面取り、木材の穴あけをする。
- イにおいて「ホルソと組み合わせて、コンクリートに穴を空ける」は誤り。ホルソが取り付けられるのは「電気ドリル(振動ドリル)」である。
- ハにおいて、クリックボールは、羽根ぎりと組み合わせて使われるが、木材に穴を空けるときに使用するため、「鉄板に穴を空ける」が誤り。
- 二のように「ダクトのバリを取る」のには使用されない。よって、誤り。
よって「ロ」が正解となる。
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類題
問18
写真に示す器具の用途は。
イ.リモコン配線のリレーとして用いる。
ロ.リモコン配線の操作電源変圧器として用いる。
ハ.リモコンリレー操作用のセレクタスイッチとして用いる。
ニ.リモコン用調光スイッチとして用いる。
解説
写真に示す材料は、リモコン配線に用いるリレーである。
- ロは、リモコントランスである。
- ハは、リモコンセレクタスイッチである
- ニは、リモコン用調光スイッチである。
よって「イ」が正解となる。
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類題
問19
低圧屋内配線工事で、$600\mathrm{V}$ビニル絶縁電線(軟銅線)をリングスリーブ用圧着工具とリングスリーブE形を用いて終端接続を行った。
接続する電線に適合するリングスリーブの種類と圧着マーク(刻印)の組合せで、不適切なものは。
イ.直径$1.6\mathrm{mm}$ 2本の接続に、小スリーブを使用して圧着マークを〇にした。
ロ.直径$1.6\mathrm{mm}$ 1本と直径$2.0\mathrm{mm}$ 1本の接続に、小スリーブを使用して圧着マークを〇にした。
ハ.直径$1.6\mathrm{mm}$ 4本の接続に、小スリーブを使用して圧着マークを小にした。
ニ.直径$1.6\mathrm{mm}$ 1本と直径$2.0\mathrm{mm}$ 2本の接続に、中スリーブを使用して圧着マークを中にした。
解説
リングスリーブの選び方についての問題である。
リングスリーブによる圧着接続は、電線の太さや本数によってスリーブのサイズや刻印が下記表のように決まっている。
電線の太さ[mm]および本数 | リングスリーブのサイズ | 圧着ペンチの刻印 |
---|---|---|
$1.6\times2$本 | 小 | 〇 |
$1.6\times3\sim4$本 | 小 | |
$2.0\times2$本 | ||
$2.0\times1$本$+1.6\times1\sim2$本 | ||
$2.0\times1$本$+1.6\times3\sim5$本 | 中 | 中 |
$2.0\times2$本$+1.6\times1\sim3$本 |
上表より、直径$1.6\mathrm{mm}$ 1本と直径$2.0\mathrm{mm}$ 1本の接続には、小スリーブを使用して圧着マークを「小」にするのが適切である。
よって「ロ」が正解となる。
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類題
問20
機械器具の金属製外箱に施すD種接地工事に関する記述で、不適切なものは。
イ.三相$200\mathrm{V}$電動機外箱の接地線に直径$1.6\mathrm{mm}$のIV電線(軟銅線)を使用した。
ロ.単相$100\mathrm{V}$移動式の電気ドリルの接地線として多心コードの断面積$0.75\mathrm{mm^2}$の1心を使用した。
ハ.一次側$200\mathrm{V}$,二次側$100\mathrm{V}$,$3\mathrm{kVA}$の絶縁変圧器(二次側非接地)の二次側電路に電動丸のこぎりを接続し、接地を施さないで使用した。
ニ.単相$100\mathrm{V}$の電動機を水気のある場所に設置し、定格感度電流$30\mathrm{mA}$,動作時間$0.1$秒の電流動作型漏電遮断器を取り付けたので、接地工事を省略した。
解説
D種接地工事は下記の場合に省略できる。
- 対地電圧$150\mathrm{V}$以下の機器を、乾燥した場所に設置。
- 乾燥した木製の床など、絶縁性のものの上で取り扱う。
- 水気のある場所以外に設置した機器に、漏電遮断器(感度電流$15\mathrm{mA}$以下、動作時間$0.1$秒以内)を施設。
- 二重絶縁構造の機器。
選択肢のうちイ、ロ、ハについては適切であり省略できる。
「ニ」は水気のある場所に設置しているので不適切である。
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