第二種電気工事士筆記試験解答・解説【平成25年度下期 問11~20】

本記事では、第二種電気工事士筆記試験のうち「平成25年度下期 問11~20」について解説する。

問11

許容電流から判断して、公称断面積0.75mm2のゴムコード(絶縁物が天然ゴムの混合物)を使用できる最も消費電力の大きな電熱器具は。

ただし、電熱器具の定格電圧は100Vで、周囲温度は$30^\circ\mathrm{C}$以下とする。

イ.$150\mathrm{W}$の電気はんだごて

ロ.$600\mathrm{W}$の電気がま

ハ.$1500\mathrm{W}$の電気湯沸器

ニ.$2000\mathrm{W}$の電気乾燥器

 

解説

断面積$0.75\mathrm{mm^2}$のゴムコード(絶縁物が天然ゴムの混合物)の許容電流は$7\mathrm{A}$である。

 

したがって、消費電力$P=VI=100\times7=700\mathrm{W}$のものまでが使用できることになり、ロの「$600\mathrm{W}$の電気がま」が使用できる最大電力の器具となる。

よって「ロ」が正解となる。

 

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類題

 

問12

三相誘導電動機が周波数$50\mathrm{Hz}$の電源で無負荷運転されている。

この電動機を周波数$60\mathrm{Hz}$の電源で無負荷運転した場合の回転の状態は。

イ.回転速度は変化しない。

ロ.回転しない。

ハ.回転速度が減少する。

ニ.回転速度が増加する。

 

解説

三相かご形誘導電動機の同期速度$N_\mathrm{s}[\mathrm{min^{-1}}]$は、周波数を$f[\mathrm{Hz}]$,極数を$p$とすると、$\displaystyle{N_\mathrm{s}=\frac{120f}{p}}$で表わされる。

また、無負荷運転時の回転速度$N$は同期速度$N_\mathrm{s}$にほぼ一致するため、周波数$f$に比例する。

したがって、電源の周波数が$50\mathrm{Hz}$から$60\mathrm{Hz}$に変わると、回転速度は増加する

よって「ニ」が正解となる。

 

類題

 

問13

アウトレットボックス(金属製)の使用方法として、不適切なものは。

イ.金属管工事で電線の引き入れを容易にするのに用いる。

ロ.配線用遮断器を集合して設置するのに用いる。

ハ.金属管工事で電線相互を接続する部分に用いる。

ニ.照明器具などを取り付ける部分で電線を引き出す場合に用いる。

 

解説

アウトレットボックス(金属製)は、金属管工事においても含め、電灯・コンセントの取付、電線の接続場所として使用する。

配線用遮断器を集合して設置するのは分電盤である。

 

よって「ロ」が正解となる。

 

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類題

 

問14

金属管(鋼製電線管)工事で切断及び曲げ作業に使用する工具の組合せとして、適切なものは。

イ.やすり 金切りのこ パイプベンダ

ロ.リーマ パイプレンチ トーチランプ

ハ.リーマ 金切りのこ トーチランプ

ニ.やすり パイプレンチ パイプベンダ

 

解説

金属管工事で切断に使用する工具は金切りのこである。

そして、その切断面はやすりで仕上げ、曲げにはパイプベンダを用いる。

 

なお、トーチランプは、合成樹脂管(硬質塩化ビニル電線管)を炎で熱して曲げる工具であるので、適切ではない。

また、パイプレンチは、金属管工事であるがカップリングなどを金属管に付ける際、管を回すときに使用するものである。

 

よって「イ」が正解となる。

 

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類題

 

問15

写真に示す工具の用途は。

 

イ.金属管の切断や、ねじを切る際の固定に用いる。

ロ.コンクリート壁に電線管用の穴をあけるのに用いる。

ハ.電線管に電線を通線するのに用いる。

ニ.硬質塩化ビニル電線管の曲げ加工に用いる。

 

解説

写真で示す工具は、ガストーチランプである。

バーナーの熱で硬質塩化ビニル管(VE管)を曲げるのに使用される。

よって「ニ」が正解となる。

 

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類題

 

 

問16

写真に示す測定器の名称は。

 

 

イ.絶縁抵抗計

ロ.漏れ電流計

ハ.接地抵抗計

ニ.検相器

 

解説

写真の測定器は絶縁抵抗計(メガー)であり、絶縁抵抗を測定する。

メータ内の$\mathrm{M\Omega}$の記載が特徴である。

 

よって「イ」が正解となる。

 

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類題

 

問17

写真に示す器具の用途は。

 

 

イ.蛍光灯の放電を安定させるために用いる。

ロ.電圧を変成するために用いる。

ハ.力率を改善するために用いる。

ニ.手元開閉器として用いる。

 

解説

写真は蛍光灯用安定器である。

放電灯の放電を安定させるために用いる器具で、回路に直列に接続する。

よって「イ」が正解となる。

 

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類題

 

問18

写真に示す材料の用途は。

 

(合成樹脂製)

 

イ.フロアダクトが交差する箇所に用いる。

ロ.多数の遮断器を集合して設置するために用いる。

ハ.多数の金属管が集合する箇所に用いる。

ニ.住宅でスイッチやコンセントを取り付けるのに用いる。

 

解説

写真に示す材料は、合成樹脂製のスイッチボックスである。

スイッチやコンセントを取り付けるために使用する。

 

よって「ニ」が正解となる。

 

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類題

 

問19

簡易接触防護措置を施した(人が容易に触れるおそれがない)乾燥した場所に施設する低圧屋内配線工事で、D種接地工事を省略できないものは。

イ.三相3線式$200\mathrm{V}$の合成樹脂管工事に使用する金属製ボックス

ロ.単相$100\mathrm{V}$の埋込形蛍光灯器具の金属部分

ハ.単相$100\mathrm{V}$の電動機の鉄台

ニ.三相3線式$200\mathrm{V}$の金属管工事で、電線を収める管の全長が$10\mathrm{m}$の金属管

 

解説

使用電圧が直流$300\mathrm{V}$または交流対地電圧が$150\mathrm{V}$以下の機械器具に簡易接触防護措置を施すか、または乾燥した場所に施設する場合は、D種接地工事は省略できる。

 

上記を踏まえ、各選択肢について検討すると、次の通り。

  • イは合成樹脂管工事であり、この場合は省略可能である。
  • ロは対地電圧が$150\mathrm{V}$以下であり、省略可能である。
  • ハは対地電圧が$150\mathrm{V}$以下であり、省略可能である。
  • ニは対地電圧が$150\mathrm{V}$を超えるので、この場合は管長が$4\mathrm{m}$以下ならば省略できるが、$10\mathrm{m}$なので省略できない。

 

よって「ニ」が正解となる。

 

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類題

 

問20

単相$3$線式$100/200\mathrm{V}$屋内配線工事で、不適切な工事方法は。

ただし、使用する電線は$600\mathrm{V}$ビニル絶縁電線、直径$1.6\mathrm{mm}$とする。

イ.同じ径の硬質塩化ビニル電線管(VE)$2$本をTSカップリングで接続した。

ロ.合成樹脂製可とう電線管(PF管)内に、電線の接続点を設けた。

ハ.合成樹脂製可とう電線管(CD管)を直接コンクリートに埋め込んで施設した。

ニ.金属管を点検できない隠ぺい場所で使用した。

 

解説

$100\mathrm{V}$の屋内配線における施設場所についての問題である。

  • ケーブル工事
  • 金属管工事
  • 合成樹脂管工事(CD管を除く)
  • 2種金属可とう電線管工事

の4つは、すべての場所に施工しても問題ない。

 

ロのPF管内で電線の接続点を設けることは禁止されている(解釈158条)。

よって「ロ」が正解となる。

 

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