本記事では、第二種電気工事士筆記試験のうち「平成26年度上期 問21~30」について解説する。
問21
単相100Vの屋内配線工事における絶縁電線相互の接続で、不適切なものは。
イ.絶縁電線の絶縁物と同等以上の絶縁効力のあるもので十分被覆した。
ロ.電線の引張強さが15%減少した。
ハ.差込形コネクタによる終端接続で、ビニルテープによる絶縁は行わなかった。
ニ.電線の電気抵抗が5%増加した。
解説
電線を接続するときの条件は、
- 電気抵抗を増加させない
- 電線の引張強さを$20\%$以上減少させない
- リングスリーブや差込形コネクタによる接続、または、ろう付け(はんだ付けする)
- 絶縁電線の絶縁物と同等以上の絶縁効力のあるもので十分に被覆する
上記より、「ニ」の「電気抵抗が$5\%$増加した」は不適切である。
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類題
問22
店舗付き住宅の屋内に三相3線式$200\mathrm{V}$,定格消費電力$2.5\mathrm{kW}$のルームエアコンを施設した。
このルームエアコンに電気を供給する電路の工事方法として、適切なものは。
ただし、配線は接触防護措置を施し、ルームエアコン外箱等の人が触れるおそれがある部分は絶縁性のある材料で堅ろうに作られているものとする。
イ.専用の過電流遮断器を施設し、合成樹脂管工事で配線し、コンセントを使用してルームエアコンと接続した。
ロ.専用の電磁接触器を施設し、金属管工事で配線し、ルームエアコンと直接接続した。
ハ.専用の配線用遮断器を施設し、金属管工事で配線し、コンセントを使用してルームエアコンと接続した。
ニ.専用の漏電遮断器(過負荷保護付)を施設し、ケーブル工事で配線し、ルームエアコンと直接接続した。
解説
住宅の屋内電路の対地電圧は、$150\mathrm{V}$以下としなくてはならないため、それ以外の場合は下記の措置を施す必要がある。
- 簡易接触防護措置を施す。
- 電気機器は屋内配線と直接接続する(コンセントは使用不可)。
- 専用の開閉器および過電流遮断器を施設する。
- 漏電遮断器を施設する。
であるから、「ニ」は適切となる。
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類題
問23
使用電圧$100\mathrm{V}$の屋内配線の施設場所における工事の種類で、適切なものは。
イ.展開した場所であって、乾燥した場所のライティングダクト工事
ロ.展開した場所であって、湿気の多い場所の金属ダクト工事
ハ.点検できない隠ぺい場所であって、乾燥した場所の金属線ぴ工事
ニ.点検できない隠ぺい場所であって、湿気の多い場所の平形保護層工事
解説
$100\mathrm{V}$の屋内配線における施設場所についての問題である。
- 「ロ」の金属ダクト工事は「乾燥した場所」とした場合に適切となる。
- 「ハ」の金属線ぴ工事は「点検できる隠ぺい場所」とした場合に適切となる。
- 「ニ」の平形保護層工事は「点検できる隠ぺい場所で乾燥した場所」とした場合に適切となる。
よって「イ」が正解となる。
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類題
問24
図のような単相$3$線式回路で、開閉器を閉じて機器Aの両端の電圧を測定したところ$150\mathrm{V}$を示した。
この原因として、考えられるものは。
イ.機器$\mathrm{A}$の内部で断線している。
ロ.$\mathrm{a}$線が断線している。
ハ.中性線が断線している。
ニ.$\mathrm{b}$線が断線している。
解説
電圧計による測定に関する問題である。
$\mathrm{a-b}$線間が$200\mathrm{V}$であることから、中性線に不具合がなければ、機器$\mathrm{A}$が$150\mathrm{V}$になることはないと判断できる。
- 機器$\mathrm{A}$の内部で断線している場合は、電流が流れなくなり$0\mathrm{V}$になるから、イは不適切である。
- $\mathrm{a}$線が断線した場合は、機器$\mathrm{A}$に電流が流れなくなり$0\mathrm{V}$になるから、ロは不適切である。
- $\mathrm{b}$線が断線した場合は、機器$\mathrm{B}$に電流が流れなくなり、機器$\mathrm{A}$に電圧$200\mathrm{V}$がかかるため、ニは不適切である。
よって「ハ」が正解となる。
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類題
問25
一般に使用される回路計(テスタ)によって測定できないものは。
イ.絶縁抵抗 ロ.回路抵抗 ハ.交流電圧 ニ.直流電圧
解説
回路計(テスタ)は「電流」「電圧」「抵抗」を測定する計測器である。
選択肢のうち、「絶縁抵抗」はテスタでは計測できない。
絶縁抵抗は「絶縁抵抗計(メガー)」などで計測する。
よって「イ」が正解となる。
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類題
問26
使用電圧$100\mathrm{V}$の低圧電路に、地絡が生じた場合$0.1$秒で自動的に電路を遮断する装置が施してある。
この電路の屋外にD種接地工事が必要な自動販売機がある。
その接地抵抗値$\mathrm{a}[\Omega]$と電路の絶縁抵抗値$\mathrm{b[M\Omega]}$の組合せとして、「電気設備に関する技術基準を定める省令」及び「電気設備の技術基準の解釈」に適合していないものは。
イ.$\mathrm{a} 100 \mathrm{b} 0.1$
ロ.$\mathrm{a} 200 \mathrm{b} 0.3$
ハ.$\mathrm{a} 500 \mathrm{b} 0.5$
ニ.$\mathrm{a} 600 \mathrm{b} 1.0$
解説
接地抵抗値及び絶縁抵抗値に関する問題である。
問題の条件における接地抵抗値は「$500\Omega$以下」または絶縁抵抗値は「$0.1\mathrm{M\Omega}$以上」となる。
絶縁抵抗値が上記の値に適合しない「ニ」が正解となる。
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類題
問27
絶縁抵抗計(電池内蔵)に関する記述として、誤っているものは。
イ.絶縁抵抗計には、ディジタル形と指針形(アナログ形)がある。
ロ.絶縁抵抗計の定格測定電圧(出力電圧)は、交流電圧である。
ハ.絶縁抵抗測定の前には、絶縁抵抗計の電池容量が正常であることを確認する。
ニ.電子機器が接続された回路の絶縁測定を行う場合は、機器等を損傷させない適正な定格測定電圧を選定する。
解説
電池内蔵形の絶縁抵抗計の出力電圧は、直流電圧である。
よって「ロ」が正解となる。
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類題
問28
電気工事士法において、一般用電気工作物の工事又は作業で$\mathrm{a,\ b}$ともに電気工事士でなければ従事できないものは。
イ.
$\mathrm{a}$:接地極を地面に埋設する。
$\mathrm{b}$:電圧$100\mathrm{V}$で使用する蓄電池の端子に電線をねじ止めする。
ロ.
$\mathrm{a}$:地中電線用の暗きょを設置する。
$\mathrm{b}$:電圧$200\mathrm{V}$で使用する電力量計を取り付ける。
ハ.
$\mathrm{a}$:電線を支持する柱を設置する。
$\mathrm{b}$:電線管に電線を収める。
ニ.
$\mathrm{a}$:配電盤を造営材に取り付ける。
$\mathrm{b}$:電線管を曲げる。
解説
電気工事士でなくてもできる作業は下記となる。
- イの$\mathrm{b}$「電圧$100\mathrm{V}$で使用する蓄電池の端子に電線をねじ止めする。」
- ロの$\mathrm{a}$「地中電線用の暗きょを設置する。」
- ハの $\mathrm{a}$「電線を支持する柱を設置する。」
したがって、 $\mathrm{a,\ b}$とも電気工事士でなければできない作業を示している「ニ」が正解となる。
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類題
問29
電気用品安全法により、電気工事に使用する特定電気用品に付すことが要求されていない表示事項は。
イ.下の記号又は<PS>Eの記号
ロ.届出事業者名
ハ.登録検査機関名
ニ.製造年月
解説
特定電気用品に付すことを要求されているものは次の事項である。
- 届出事業者名
- 登録検査機関名
- PSEマークまたは<PS>E
- 定格など
よって「ニ」が正解となる。
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類題
調査中
問30
「電気設備に関する技術基準を定める省令」における電圧の低圧区分の組合せで、正しいものは。
イ.直流にあっては$600\mathrm{V}$以下、交流にあっては$600\mathrm{V}$以下のもの
ロ.直流にあっては$600\mathrm{V}$以下、交流にあっては$750\mathrm{V}$以下のもの
ハ.直流にあっては$750\mathrm{V}$以下、交流にあっては$600\mathrm{V}$以下のもの
ニ.直流にあっては$750\mathrm{V}$以下、交流にあっては$750\mathrm{V}$以下のもの
解説
電技省令第2条により、下表のように使用電圧による区分が定められている。
直流 | 交流 | |
---|---|---|
低圧 | $750\mathrm{V}$以下 | $600\mathrm{V}$以下 |
高圧 | 低圧を超え、$7000\mathrm{V}$以下のもの | |
特別高圧 | $7000\mathrm{V}$を超えるもの |
低圧の区分は直流$750\mathrm{V}$以下、交流$600\mathrm{V}$以下である。
よって「ハ」が正解となる。
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