• 2019年3月7日

二相短絡時の故障計算(対称座標法)

本記事では、対称座標法を用いた二相短絡故障(相間短絡故障)の計算について解説する。 二相短絡故障時の回路 図1に二相短絡故障発生時の回路を示す。 同図では、 $F$点$b-c$相端子間が短絡された状態になっている。   図1 二相短絡故障時回路   二相短絡時の故障計算 故障時の初期条件 図1の回路より、$b-c$相短絡時の電圧・電流の初期条件を考える。   $F$点 […]

  • 2019年3月6日

三相短絡・三線地絡時の故障計算(対称座標法)

本記事では、対称座標法を用いた三相短絡故障および三線地絡故障の計算について解説する。 三相短絡故障 故障発生時の回路 図1に三相短絡故障発生時の回路を示す。 同図より、 $F$点$a,\ b\ ,\ c$相端子は文字通りすべて短絡された状態になっている。   図1 三相短絡故障時回路   故障時の初期条件 図1の回路より、$a-b-c$相三相短絡時の電圧・電流の初期条件を考える […]

  • 2019年3月5日

Y⇔Δ回路のインピーダンス変換式

電気回路の計算を行う際、Y結線の回路とΔ結線の回路を相互に変換することが必要になる場合がある(電験でも「理論」科目等で頻出の計算にもなっている)。 本記事では、そんなY回路⇔Δ回路の変換式(Y-Δ変換またはΔ-Y変換の式)を導出する。 Y回路→Δ回路のインピーダンス変換 Y回路とΔ回路 図1のように、$\mathrm{A,\ B,\ C}$の各端子にインピーダンス$\dot{Z}_\mathrm{ […]

  • 2019年3月4日

一線地絡時の故障計算(対称座標法)

本記事では、対称座標法変換($0-1-2$変換)を用いた一線地絡故障計算について解説する。 故障計算における回路 一線地絡故障時の回路 $a$相が一線地絡した場合の回路(地絡抵抗ありの場合)を図1に示す。   同図より、故障点端子$F$からa相端子が地絡抵抗$R$(主にアーク抵抗や樹木などへの接触抵抗)を介して大地に接続され、$b$相および$c$相は開放状態になっている。   […]

  • 2019年3月3日

対称座標法とクラーク変換法の相互変換

対称座標法によりa-b-c電気量を0-1-2領域に、クラーク変換法によりa-b-c電気量をα-β-0領域に変換することが可能となる。 では、0-1-2領域とα-β-0領域の相互関係はどうなるのか、またその計算のための変換行列について、本記事にて考えてみる。 a-b-c領域からの変換行列(再掲) まず、$a-b-c$領域を各領域に変換する行列について確認する。 本記事で扱う電気量はすべて電圧であるが […]

  • 2019年3月1日

送電線の対称座標法変換

本記事では、電力系統全体に対称座標法計算を適用するため、1回線および2回線の送電線に対称座標法変換を適用した場合の計算式について記述する。 1回線送電線の対称座標法変換 1回線送電線の等価回路 図1に、1回線送電線の等価回路を示す。   図1 1回線送電線の等価回路   図1において、各端子-大地間の電圧の添字$s$は送電端(入力側)、$r$は受電端(出力側)を示している。 & […]

  • 2019年2月27日

相反定理と四端子定数

本記事では、四端子回路に関する相反定理について解説する。 相反定理 図1のような四端子回路において、下記の条件を考える。 図1の四端子回路は内部に電源がなく、かつ受動線形素子(抵抗、インダクタンス、コンデンサなど)で構成される。 回路の端子$1-1’$を開放、かつ端子$2-2’$間を短絡したとき(図1上)、端子$1-1’$間に発生する開放電圧を$\dot{V}_ […]

  • 2019年2月26日

クラーク変換法の基本式

本記事では、実際の計算で使用するクラーク変換法の基本式について導出する。 α-β-0領域⇒a-b-c領域への変換 電圧のα-β-0⇒a-b-c変換式 今回扱う$a-b-c$領域の電気量ベクトルは、これまで用いてきたものと同様の図1のベクトルとする。   図1 $a-b-c$領域の電気量ベクトル   「クラーク変換法①」の$(1)$および$(2)$式より、$\alpha$電圧$\ […]

  • 2019年2月25日

対称座標法における発電機の基本式

本記事では、対称座標法を用いた計算において重要な式である「発電機の基本式」を導入する。 発電機の内部等価回路 「発電機の基本式」を導入するにあたり、まずは適用する回路について考える。 図1は、発電機を「三相平衡した理想電圧源」で表した内部等価回路を示している。   図1 発電機の内部等価回路   図1に示す各電気量および定数の詳細は下記となる。 $\dot{E}_a,\ \do […]

  • 2019年2月23日

有効電力・無効電力・複素電力

本記事では、有効電力、無効電力および複素電力の定義式とその導出について解説する。 有効電力の定義式 電圧・電流の瞬時値の式 時間$t$で値が変化する交流波形で表される電圧および電流の瞬時値を$v(t)$および$i(t)$とすると、 $$\begin{cases}v(t)&=V_\mathrm{m}\cos\omega t &・・・(1)\\\\i(t)&=I_\mathrm […]