本記事では、第二種電気工事士筆記試験のうち「令和3年度上期(午後) 問31~40」について解説する。
配線図
図は、鉄筋コンクリート造の集合住宅共用部の部分的な配線図である。
この図に関する次の各問いには4通りの答え(イ、ロ、ハ、ニ)が書いてある。
それぞれの問いに対して、答えを1つ選びなさい。
注意
- 屋内配線の工事は、動力回路及び特記のある場合を除き$600\mathrm{V}$ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形(VVF)を用いたケーブル工事である。
- 屋内配線等の電線の本数、電線の太さ、その他、問いに直接関係のない部分等は省略又は簡略化してある。
- 漏電遮断器は、定格感度電流$30\mathrm{mA}$,動作時間$0.1$秒以内のものを使用している。
- 選択肢(答え)の写真にあるコンセント及び点滅器は、「JIS C 0303:2000 構内電気設備の配線用図記号」で示す「一般形」である。
- 配電盤、分電盤及び制御盤の外箱は金属製である。
- ジョイントボックスを経由する電線は、すべて接続箇所を設けている。
- 3路スイッチの記号「0」の端子には、電源側又は負荷側の電線を結線する。
問31
①で示す引込線取付点の地表上の高さの最低値$[\mathrm{m}]$は。
ただし、引込線は道路を横断せず、技術上やむを得ない場合で、交通に支障がないものとする。
イ.$2$ ロ.$2.5$ ハ.$3$ ニ.$4$
解説
引込線の取付点の高さは 原則$4\mathrm{m}$以上である。
例外として、技術上やむを得ない場合、または交通に支障がないとされるときは、最低高さを$\boldsymbol{2.5\mathrm{m}}$以上とすることができる。
よって「ロ」が正解となる。
類題
問32
②で示す配線工事に使用できない電線の記号(種類)は。
イ.$\mathrm{VVF}$ ロ.$\mathrm{VVR}$ ハ.$\mathrm{IV}$ ニ.$\mathrm{CV}$
解説
②のFEP(波付硬質合成樹脂管)は地中埋設用に使用されるので、使用する電線はケーブルでなくてはならない。
よって、ハの$\mathrm{IV}$($600\mathrm{V}$ビニル絶縁電線)は使用できない。
なお、他の選択肢の記号の対応は、次の通り。
- イの$\mathrm{VVF}$は平形$600\mathrm{V}$ビニル絶縁ビニルシースケーブルである。
- ロの$\mathrm{VVR}$は丸形$600\mathrm{V}$ビニル絶縁ビニルシースケーブルである。
- ニの$\mathrm{CV}$は架橋ポリエチレン絶縁シースケーブルである。
よって「ハ」が正解となる。
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類題
問33
③で示す図記号の器具の種類は。
イ.熱線式自動スイッチ
ロ.遅延スイッチ
ハ.確認表示灯を内蔵する点滅器
ニ.位置表示灯を内蔵する点滅器
解説
③で示す図記号は、点滅器に「H」が傍記されているため、位置表示灯を内蔵する点滅器である。
よって「ニ」が正解となる。
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類題
問34
④で示す図記号の機器は。
イ.電流計付箱開閉器
ロ.電動機の力率を改善する低圧進相用コンデンサ
ハ.制御配線の信号により動作する開閉器(電磁開閉器)
ニ.電動機の始動装置
解説
④の図記号は開閉器を表す。
また、配線図の「凡例」で開閉器は※1で示す制御配線に接続されているので「制御配線の信号により動作する開閉器(電磁開閉器)」となる。
よって「ハ」が正解となる。
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類題
問35
⑤で示す機器の定格電流の最大値$[\mathrm{A}]$は。
イ.$15$ ロ.$20$ ハ.$25$ ニ.$30$
解説
当該配線用遮断器に接続されるコンセント(配線図のⓗ)は、単相$100\mathrm{V},\ 15\mathrm{A}$である
下表より、それらに接続する配線用遮断器の定格電流としては太字のものが適切であり、その最大値は$\boldsymbol{20\mathrm{A}}$となる。
よって「ロ」が正解となる。
表 分岐回路の電線の太さとコンセントの定格電流
配電用遮断器の定格電流 | 電線の太さ | コンセントの定格電流 |
---|---|---|
$15\mathrm{A}$以下 | 直径$1.6\mathrm{mm}$以上 (断面積$2.0\mathrm{mm^2}$以上) | $15\mathrm{A}$以下 |
$15\mathrm{A}$を超え$20\mathrm{A}$以下 | 直径$1.6\mathrm{mm}$以上 (断面積$2.0\mathrm{mm^2}$以上) | $20\mathrm{A}$以下 |
$20\mathrm{A}$を超え$30\mathrm{A}$以下 | 直径$2.6\mathrm{mm}$以上 (断面積$5.5\mathrm{mm^2}$以上) | $20\mathrm{A}$以上$30\mathrm{A}$以下 |
$30\mathrm{A}$を超え$40\mathrm{A}$以下 | 断面積$8\mathrm{mm^2}$以上 | $30\mathrm{A}$以上$40\mathrm{A}$以下 |
$40\mathrm{A}$を超え$50\mathrm{A}$以下 | 断面積$14\mathrm{mm^2}$以上 | $40\mathrm{A}$以上$50\mathrm{A}$以下 |
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類題
問36
⑥で示す図記号の器具の名称は。
イ.リモコンリレー
ロ.リモコンセレクタスイッチ
ハ.火災表示灯
ニ.漏電警報器
解説
リレー系の図記号を問う問題である。
⑥の図記号は「リモコンリレー」である。
複数個設置する場合は下記の図記号となり、傍記の「2」は2個集合設置していることを示している。
よって「イ」が正解となる。
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類題
問37
⑦で示す部分の接地工事における接地抵抗の許容される最大値$[\Omega]$は。
なお、引込線の電源側には地絡遮断装置は設置されていない。
イ.$10$ ロ.$100$ ハ.$300$ ニ.$500$
解説
⑦は「P-1」「P-2」「L-1」に接続されており、いずれも使用電圧は$300\mathrm{V}$以下である。
電技解釈第29条により、使用電圧$300\mathrm{V}$以下の場合、D種接地工事を施す。
また、$0.5$秒以内に動作する漏電遮断器が施設されていていないので、電技解釈第17条により接地抵抗値は原則の$\boldsymbol{100\Omega}$以下となる。
よって「ロ」が正解となる。
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類題
- 令和3年度下期(午前) 問38
- 令和3年度下期(午前) 問38
- 令和2年度下期(午前) 問36
- 令和2年度下期(午後) 問38
- 平成30年度上期 問38
- 平成30年度下期 問36
- 平成29年度下期 問39
- 平成27年度上期 問36
問38
⑧で示す図記号の器具の名称は。
イ.電磁開閉器用押しボタン
ロ.フロートスイッチ
ハ.圧カスイッチ
ニ.フロートレススイッチ電極
解説
- イの「電磁開閉器用押しボタン」はBの記号が補記される。
- ロの「フロートスイッチ」はFの記号が補記される。
- ハの「圧力スイッチ」はPの記号が補記される。
- ニの「フロートレススイッチ電極」はLFの記号が補記される。
よって、「ニ」が正解である。
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類題
問39
⑨で示す部分の最少電線本数(心線数)は。
イ.$2$ ロ.$3$ ハ.$4$ ニ.$5$
解説
⑨(および⑫,⑭,⑰,⑱)で示す部分を含む複線結線図を示す。
複線図より、⑨で示す部分の最少電線本数(心線数)は$2$本である。
よって「イ」が正解となる。
類題
- 令和3年度上期(午前) 問40
- 令和3年度下期(午前) 問33
- 令和3年度下期(午後) 問31
- 令和2年度下期(午前) 問32
- 令和元年度上期 問37
- 令和元年度下期 問38
- 平成30年度上期 問39
- 平成30年度下期 問40
- 平成29年度上期 問38
- 平成29年度下期 問32
- 平成28年度上期 問38
- 平成28年度下期 問31
- 平成27年度上期 問34
- 平成27年度下期 問37
- 平成26年度上期 問33
- 平成26年度下期 問38
- 平成25年度上期 問34
- 平成25年度下期 問32
問40
⑩で示す部分は引掛形のコンセントである。
その図記号の傍記表示は。
イ.T ロ.LK ハ.EL ニ.H
解説
- イの「T」は「引掛け形コンセント」である。
- ロの「LK」は「抜け止め形コンセント」である。
- ハの「EL」は「漏電遮断器付きコンセント」である。
- ニの「H」は「医用コンセント」である。
よって「イ」が正解となる。
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