第二種電気工事士筆記試験解答・解説【平成27年度下期 問21~30】

本記事では、第二種電気工事士筆記試験のうち「平成27年度下期 問21~30」について解説する。

問21

特殊場所とその場所に施工する低圧屋内配線工事の組合せで、不適切なものは。

イ.プロパンガスを他の小さな容器に小分けする可燃性ガスのある場所

厚鋼電線管で保護した$600\mathrm{V}$ビニル絶縁ビニルシースケーブルを用いたケーブル工事

ロ.小麦粉をふるい分けする可燃性粉じんのある場所

硬質塩化ビニル電線管VE28を使用した合成樹脂管工事

ハ.石油を貯蔵する危険物の存在する場所

金属線ぴ工事

ニ.自動車修理工場の吹き付け塗装作業を行う可燃性ガスのある場所

厚鋼電線管を使用した金属管工事

 

解説

危険物のある場所では、金属線ぴ工事は施工できない。

よって「ハ」が不適切である。

 

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類題

 

問22

D種接地工事を省略できないものは。

ただし、電路には定格感度電流$15\mathrm{mA}$,定格動作時間$0.1$秒の電流動作型の漏電遮断器が取り付けられているものとする。

イ.乾燥した場所に施設する三相$200\mathrm{V}$(対地電圧$200\mathrm{V}$)動力配線の電線を収めた長さ$3\mathrm{m}$の金属管。

ロ.水気のある場所のコンクリートの床に施設する三相$200\mathrm{V}$(対地電圧$200\mathrm{V}$)誘導電動機の鉄台。

ハ.乾燥した木製の床の上で取り扱うように施設する三相$200\mathrm{V}$(対地電圧$200\mathrm{V}$)空気圧縮機の金属製外箱部分。

ニ.乾燥した場所に施設する単相$3$線式$100/200\mathrm{V}$(対地電圧$100\mathrm{V}$)配線の電線を収めた長さ$7\mathrm{m}$の金属管。

 

解説

電技解釈第29条において、接地工事が省略できる条件について、以下のように定められている。

  • 対地電圧が$150\mathrm{V}$以下の機器を乾燥した場所に施設する場合。
  • 低圧用の機械器具を絶縁物(乾燥した木製の床など)の上で取り扱う場合。
  • 二重絶縁構造の機械器具を施設する場合。
  • 鉄台や外箱の周囲に絶縁台を設ける場合。
  • 水気がない場所において、電路に漏電遮断器(電気用品安全法の適用を受けた定格感度電流が$15\mathrm{mA}$以下、動作時間が$0.1$秒以下の電流動作型のもの)を施設する場合。
  • 電路の電源側に絶縁変圧器を施設し、機械器具側の電路を非接地とする場合。

 

選択肢のうち、ロは水気のある場所のコンクリートの床への施設であり、漏電遮断器を取り付けても不適切である。

よって「ロ」が正解となる。

 

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類題

 

問23

$100\mathrm{V}$の低圧屋内配線に、ビニル平形コード(断面積$0.75\mathrm{mm^2}$)2心を絶縁性のある造営材に適当な留め具で取り付けて、施設することができる場所又は箇所は。

イ.乾燥した場所に施設し、かつ、内部を乾燥状態で使用するショウウインドー内の外部から見えやすい箇所

ロ.木造住宅の人の触れるおそれのない点検できる押し入れの壁面

ハ.木造住宅の和室の壁面

ニ.乾燥状態で使用する台所の床下収納庫

 

解説

コードを使用し造営材に接触して施設する配線工事の場合、安全性の観点から一般配線工事では認められない。

しかし、ショウウィンドー内のような美観上やむを得ない箇所に関しては、乾燥した場所に施設し、外部から見えやすい場所に限って施設することができる。

 

よって「イ」が正解となる。

 

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類題

調査中

 

問24

単相交流電源から負荷に至る回路において、電圧計、電流計、電力計の結線方法として、正しいものは。

 

 

解説

測定機器の問題である。

  • 電圧計は回路に「並列」に接続する。
  • 電流計は回路に「直列」に接続する。
  • 電力計の電圧コイルは回路に「並列」に、電流コイルは回路に「直列」に接続する。

 

よって、すべての計器の接続が正しい「イ」が正解となる。

 

類題

 

問25

直読式接地抵抗計を用いて、接地抵抗を測定する場合、被測定接地極$\mathrm{E}$に対する、2つの補助接地極$\mathrm{P}$(電圧用)及び$\mathrm{C}$(電流用)の配置として、最も適切なものは。

 

 

解説

接地抵抗計に関しての問題である。

測定するときは「$\mathrm{E-P-C}$の順に指していく。

よって「ハ」が正解となる。

 

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類題

 

 

問26

回路計(テスタ)に関する記述として、正しいものは。

イ.ディジタル式は電池を内蔵しているが、アナログ式は電池を必要としない。

ロ.電路と大地間の抵抗測定を行った。その測定値は電路の絶縁抵抗値として使用してよい。

ハ.交流又は直流電圧を測定する場合は、あらかじめ想定される値の直近上位のレンジを選定して使用する。

ニ.抵抗を測定する場合の回路計の端子における出力電圧は、交流電圧である。

 

解説

すべての選択肢についてみていくと、次の通りになる。

  • イについて、回路計(テスタ)の電源は電池である。
  • ロについて、絶縁抵抗の測定は、回路計でなく絶縁抵抗計を用いる。
  • ハについて、電圧測定の場合、あらかじめ想定される値の直近上位のレンジを選定する。
  • ニについて、抵抗測定の場合の回路計の端子における出力電圧は、直流電圧である。

よって「ハ」が正解となる。

 

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類題

 

問27

一般用電気工作物の低圧屋内配線工事が完了したときの検査で、一般的に行われている検査項目の組合せとして,正しいものは。

イ.目視点検 絶縁抵抗測定 接地抵抗測定 温度上昇試験

ロ.目視点検 導通試験   絶縁抵抗測定 接地抵抗測定

ハ.目視点検 導通試験   絶縁耐力試験 温度上昇試験

ニ.目視点検 導通試験   絶縁抵抗測定 絶縁耐力試験

 

解説

一般用電気工作物を設置・変更して工事が完了したときに行う検査を竣工検査という。

 

低圧屋内配線工事の竣工検査では、目視点検、導通試験、絶縁抵抗測定、接地抵抗測定を行う。

このとき、温度上昇試験、絶縁耐力試験は行わない。

 

よって「ロ」が正解となる。

 

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類題

 

問28

電気工事士法において、一般用電気工作物の工事又は作業で電気工事士でなければ従事できないものは。

イ.電圧$600\mathrm{V}$以下で使用する電動機の端子にキャブタイヤケーブルをねじ止めする。

ロ.火災感知器に使用する小型変圧器(二次電圧が$36\mathrm{V}$以下)二次側の配線をする。

ハ.電線を支持する柱を設置する。

ニ.配電盤を造営材に取り付ける。

 

解説

電気工事士法施行規則第2条により、電気工事士でなければ従事できない作業が下記のように定められている。

  1. 電線相互を接続する作業。
  2. がいしに電線を取り付ける(または取り外す)作業。
  3. 電線を直接造営材などに取り付ける(または取り外す)作業。
  4. 電線管・線ぴ・ダクトなどに電線を収める作業。
  5. 配線器具を造営材などに取り付ける(または取り外す)/または配線器具に電線を接続する作業。
  6. 電線管の曲げやねじ切り・電線管相互の接続・電線管とボックスなどを接続する作業。
  7. 金属製のポックスを造営材などに取り付ける(または取り外す)作業。
  8. 電線・電線管・線ぴ・ダクトなどが造営材を貫通する部分に金属製の防護装置を取り付ける(または取り外す)作業。
  9. 金属製の電線管・線ぴ・ダクトなどを建造物のメタルラス張り/ワイヤラス張りまたは金属板張りの部分に取り付ける(または取り外す)作業。
  10. 配電盤を造営材に取り付ける(または取り外す)作業。
  11. 接地線を一般用電気工作物(または自家用電気工作物)に取り付け(または取り外し)/接地線相互または接地線と接地極とを接続/または接地極を地面に埋設する作業。
  12. 電圧$600\mathrm{V}$を越えて使用する電気機器に電線を接続する作業。

 

よって、選択肢にある作業では「ニ」が正解となる。

 

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類題

 

問29

電気用品安全法の適用を受ける次の配線器具のうち、特定電気用品の組合せとして、正しいものは。

ただし、定格電圧、定格電流、極数等から全てが「電気用品安全法」に定める電気用品であるとする。

イ.タンブラースイッチ、カバー付ナイフスイッチ

ロ.電磁開閉器、フロートスイッチ

ハ.ライティングダクト、差込み接続器

ニ.タイムスイッチ、配線用遮断器

 

解説

特定電気用品以外の電気用品は次の通り。

  • イのカバー付ナイフスイッチ
  • ロの電磁開閉器
  • ハのライティングダクト

 

ニのタイムスイッチ、配線用遮断器は両方とも特定電気用品である。

よって「ニ」が正解となる。

 

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類題

 

問30

一般用電気工作物に関する記述として、正しいものは。

ただし、発電設備は電圧$600\mathrm{V}$以下とする。

イ.低圧で受電するものは、小出力発電設備を同一構内に施設しても、一般用電気工作物となる。

ロ.低圧で受電するものは、出力$55\mathrm{kW}$の太陽電池発電設備を同一構内に施設しても、一般用電気工作物となる。

ハ.高圧で受電するものは、受電電力の容量、需要場所の業種にかかわらず、すべて一般用電気工作物となる。

ニ.高圧で受電するものであっても、需要場所の業種によっては、一般用電気工作物になる場合がある。

 

解説

一般用電気工作物は、次の需要設備をいう。

  1.  電力会社から$600\mathrm{V}$以下の電圧で受電(低圧受電)する。
  2.  小出力発電設備を備えている(発電電圧は$600\mathrm{V}$以下)。
  3.  受電のための電線路が同一構内のみである。
  4.  火薬事業所・炭坑の電気工作物は、低圧受電でも除外する。

 

  • イは適切である。
  • ロは$50\mathrm{kW}$以下の太陽電池発電設備が小出力発電設備に入るので、不適切である。
  • ハは高圧受電であるから、一般用電気工作物ではないため、不適切である。
  • ニもハと同様の理由で不適切である。

 

よって「イ」が正解となる。

 

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