第二種電気工事士筆記試験解答・解説【平成28年度下期 問21~30】

本記事では、第二種電気工事士筆記試験のうち「平成28年度下期 問21~30について解説する。

問21

電磁的不平衡を生じないように、電線を金属管に挿入する方法として、適切なものは。

 

解説

電磁的不平衡を生じないようにするには、往復線を同一管内に収める。

  1. 単相2 線式では2本
  2. 単相3線式では3本
  3. 三相3線式では3本
  4. 三相4線式では4本

その回路のすべての電線を同一管内に収める。

 

よって「ハ」が正解となる。

 

類題

 

問22

低圧屋内配線の図記号と、それに対する施工方法の組合せとして、正しいものは。

厚鋼電線管で天井隠ぺい配線。

硬質塩化ビニル電線管で、露出配線。

合成樹脂製可とう電線管で天井隠ぺい配線。

2種金属製可とう電線管で露出配線。

 

解説

配線および図記号の対応一覧を下記に示す。

 

 

図記号名称
E鋼製電線管(ねじなし電線管)
なし(数字だけ書く)鋼製電線管(薄鋼電線管)
F22種金属製可とう電線管
PF合成樹脂製可とう電線管(PF管)
CD合成樹脂製可とう電線管(CD管)
VE硬質塩化ビニル電線管(VE管)
HIVE耐衝撃性硬質塩化ビニル電線管
HIVP耐衝撃性硬質塩化ビニル管
FEP波付硬質合成樹脂管

 

  • イは露出配線でE管(ねじなし金属管)と表記されているが、「厚鋼電線管(G管)で天井隠ぺい配線」と記載されており、誤り。
  • ロは天井隠ぺい配線で合成樹脂製可とう電線管と表記されているが、「硬質塩化ビニル電線管(VE管)で露出配線」と記載されており、誤り。
  • ハは天井隠ぺい配線で薄鋼電線管と表記されているが、「合成樹脂製可とう電線管(PF管)で天井隠ぺい配線」と記載されており、誤り。
  • ニは2種金属製可とう電線管で露出配線と表記されており、かつ文章とも合致しているため正しい

 

よって「ニ」が正解となる。

 

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類題

 

問23

木造住宅の金属板張り(金属系サイディング)の壁を貫通する部分の低圧屋内配線工事として、適切なものは。

ただし、金属管工事、金属可とう電線管工事に使用する電線は、$600\mathrm{V}$ビニル絶縁電線とする。

イ.金属管工事とし、壁の金属板張りと電気的に完全に接続された金属管にD種接地工事を施し、貫通施工した。

ロ.金属管工事とし、壁に小径の穴を開け、金属板張りと金属管とを接触させ金属管を貫通施工した。

ハ.金属可とう電線管工事とし、壁の金属板張りを十分に切り聞き、金属製可とう電線管を壁と電気的に接続し、貫通施工した。

ニ.ケーブル工事とし、壁の金属板張りを十分に切り聞き、$600\mathrm{V}$ビニル絶縁ビニルシースケーブルを合成樹脂管に収めて電気的に絶縁し、貫通施工した。

 

解説

木造での屋内配線工事では金属管工事は禁止であるから、ニの記述が適切である。

他のイ・ロ・ハは金属管工事とし、電気的に金属板と接触させているので不適切である。

よって「ニ」が正解となる。

 

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類題

 

問24

導通試験の目的として、誤っているものは。

イ.器具への結線の未接続を発見する。

ロ.電路の充電の有無を確認する。

ハ.回路の接続の正誤を判別する。

ニ.電線の断線を発見する。

 

解説

導通試験の目的は下記となる。

  • 器具との結線の未接続を発見する。
  • 回路の接続の正誤を判別する。
  • 電線の断線を発見する。

 

ロの「電路の充電の有無」は検電器を用いて確認するため、導通試験とは無関係である。

よって「ロ」が正解となる。

 

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類題

 

問25

単相3線式$100/200\mathrm{V}$の屋内配線において、開閉器又は過電流遮断器で区切ることができる電路ごとの絶縁抵抗の最小値として、「電気設備に関する技術基準を定める省令」に規定されている値$[\mathrm{M\Omega}]$の組合せで、正しいものは。

イ.電路と大地間 $0.1$  電線相互間 $0.1$

ロ.電路と大地間 $0.1$  電線相互間 $0.2$

ハ.電路と大地間 $0.2$  電線相互間 $0.2$

ニ.電路と大地間 $0.2$  電線相互間 $0.4$

 

解説

単相3線式$100/200\mathrm{V}$の屋内配線において、開閉器または過電流遮断器で区切ることができる電路ごとの絶縁抵抗値は、電路と大地間は $\boldsymbol{0.1\mathrm{M\Omega}}$以上、電線相互間も同様に$\boldsymbol{0.1\mathrm{M\Omega}}$以上である。

 

問題のケースは、使用電圧$300\mathrm{V}$以下で、対地電圧$150\mathrm{V}$以下に該当するから、「イ」が正解となる。

 

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類題

 

 

問26

ネオン式検電器を使用する目的は。

イ.ネオン放電灯の照度を測定する。

ロ.ネオン管灯回路の導通を調べる。

ハ.電路の漏れ電流を測定する。

ニ.電路の充電の有無を確認する。

 

解説

ネオン式検電器を使用する目的は、ニで述べるような電路の充電の有無を確認することである。

イ・ロ・ハは誤りである。

  • イは、照度計のことである。
  • ロは、回路計(テスター)のことである。
  • ハは、クランプ形電流計のことである。

よって「ニ」が正解となる。

 

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類題

調査中

 

問27

低圧屋内電路に接続されている単相負荷の力率を求める場合、必要な測定器の組合せとして、正しいものは。

イ.周波数計 電圧計 電力計

ロ.周波数計 電圧計 電流計

ハ.電圧計  電流計 電力計

ニ.周波数計 電流計 電力計

 

解説

交流電圧を$V[\mathrm{V}]$,交流電流を$I[\mathrm{A}]$,回路の力率を$\cos\theta$とすると、交流電力$P[\mathrm{W}]$は、

$$P=VI\cos\theta$$

 

上式より$\cos\theta$は、

$$\cos\theta=\frac{VI}{P}$$

 

したがって、電力計と電圧計と電流計を組み合わせれば、力率を求めることができる。

よって「ハ」が正解となる。

 

類題

 

問28

電気工事士法において、第二種電気工事士免状の交付を受けている者であっても従事できない電気工事の作業は。

イ.自家用電気工作物(最大電力$500\mathrm{kW}$未満の需要設備)の地中電線用の管を設置する作業

ロ.自家用電気工作物(最大電力$500\mathrm{kW}$未満の需要設備)の低圧部分の電線相互を接続する作業

ハ.一般用電気工作物の接地工事の作業

ニ.一般用電気工作物のネオン工事の作業

 

解説

第二種電気工事士は一般用電気工作物の電気工事のみに従事でき、自家用電気工作物の電気工事はできない。

 

また、第一種電気工事士は一般用電気工作物の電気工事の従事に加えて、自家用電気工作物のうち最大電力$500\mathrm{kW}$以下の需要設備の電気工事も作業範囲となる。

 

イの地中電線用の管の設置工事は、電気工事士でなくても従事できる(管を置くだけなので、電気工事士でなくても可能)。

ニの一般用電気工作物のネオン工事は、第二種電気工事士で従事可能となる(自家用電気工作物のネオン工事は不可)。

 

よって「ロ」が正解となる。

 

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類題

 

問29

電気用品安全法の適用を受ける電気用品に関する記述として、誤っているものは。

イ.

の記号は、電気用品のうち「特定電気用品以外の電気用品」を示す。

ロ.

の記号は、電気用品のうち「特定電気用品」を示す。

ハ. <PS>Eの記号は、電気用品のうち輸入した「特定電気用品以外の電気用品」を示す。

ニ.電気工事士は、電気用品安全法に定められた所定の表示が付されているものでなければ、電気用品を電気工作物の設置又は変更の工事に使用してはならない。

 

解説

<PS>E の記号は、特定電気用品のうち、表示面積が小さい等、下記の「特定電気用品」マークが記載できない電気用品に使用するものである。

 

よって「ハ」が正解となる。

 

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類題

 

問30

一般用電気工作物の適用を受けるものは。

ただし、発電設備は電圧$600\mathrm{V}$以下で、1構内に設置するものとする。

イ.高圧受電で、受電電力の容量が$55\mathrm{kW}$の機械工場

ロ.低圧受電で、受電電力の容量が$40\mathrm{kW}$,出力$15\mathrm{kW}$の非常用内燃力発電設備を備えた映画館

ハ.高圧受電で、受電電力の容量が$55\mathrm{kW}$のコンビニエンスストア

ニ.低圧受電で、受電電力の容量が$40\mathrm{kW}$,出力$15\mathrm{kW}$の太陽電池発電設備を備えた幼稚園

 

解説

一般用電気工作物の適用を受けるものは、低圧受電するものである。

イおよびハは高圧受電であるから、不適切である。

 

また、出力$10\mathrm{kW}$未満の内燃力発電設備が小出力発電に該当するが、ロは出力$15\mathrm{kW}$であるから不適切である。

 

さらに、「太陽電池発電設備」は出力が$\boldsymbol{50\mathrm{kW}}$未満であれば小出力発電設備となり、一般用電気工作物の適用を受けるため、ニの記述は適切である。

よって「ニ」が正解となる。

 

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