日負荷曲線と負荷率の計算

本記事では、日負荷曲線と負荷率の計算について、例題を通じて解説する。

日負荷曲線と負荷率:例題

出典:電験二種二次試験「電力・管理」 平成8年度問6
(問題文の記述を一部変更しています)

図1のように2群の負荷からなる配電系統において、各負荷群の日負荷曲線が図2のようであるとき、次の問に答えよ。

 

図1 2群の負荷からなる配電系統

 

図2 各負荷群の日負荷曲線

 

$(1)$
フィーダの最大需要負荷を求めよ。

$(2)$
負荷群$A$と負荷群$B$との間の不等率を求めよ。

$(3)$
負荷の平均電力を求めよ。

$(4)$
フィーダの負荷率を求めよ。

 

負荷群間の不等率

$(1)$
フィーダの需要負荷は、図2より$12-18$時の間が最大となり、その値は、

$$30+20=\boldsymbol{\underline{50\mathrm{kW}}}$$

 

$(2)$
負荷群$A$単体の最大需要負荷は、図2より$12$時において最大となり、その値は$30\mathrm{kW}$である。

同様に、負荷群$B$単体の最大需要負荷は、図2より$18$時において最大となり、その値は$30\mathrm{kW}$である。

 

不等率の定義は「(個々の負荷の最大需要電力の和)/(負荷を統括したときの最大需要電力)」である。

負荷群$A$および$B$間の不等率は、$(1)$の結果と合わせて、

$$\frac{30+30}{50}=\boldsymbol{\underline{1.2}}$$

 

 

各負荷群の平均電力とフィーダの負荷率

負荷群Aの平均電力

$(3)$

負荷群$A$の各時間帯の平均電力は、

  • $0-6$時($6\mathrm{h}$):$10\mathrm{kW}$
  • $6-12$時($6\mathrm{h}$):$\displaystyle{\frac{10+30}{2}}=20\mathrm{kW}$
  • $12-24$時($12\mathrm{h}$):$\displaystyle{\frac{30+10}{2}}=20\mathrm{kW}$

 

したがって、1日の平均電力は、

$$\frac{10\times6+20\times6+20\times12}{24}=\boldsymbol{\underline{17.5\mathrm{kW}}}$$

 

負荷群Bの平均電力

負荷群$B$の各時間帯の平均電力は、

  • $0-18$時($18\mathrm{h}$):$\displaystyle{\frac{0+30}{2}}=15\mathrm{kW}$
  • $18-24$時($6\mathrm{h}$):$\displaystyle{\frac{30+0}{2}}=15\mathrm{kW}$

 

したがって、1日の平均電力は、

$$\frac{15\times18+15\times6}{24}=\boldsymbol{\underline{15\mathrm{kW}}}$$

 

負荷全体の平均電力と負荷率

フィーダに接続されている負荷全体の平均電力は、上記で求めた値を足し合わせて、

$$17.5+15=\boldsymbol{\underline{32.5\mathrm{kW}}}$$

 

$(4)$
負荷率の定義は、「(負荷の平均電力)/(負荷の最大電力)$\times100[\%]$」である。

フィーダの負荷率は、$(1)$および$(3)$の結果より、

$$\frac{32.5}{50}\times100=65\%$$

 

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