電線の抵抗【電気工事士向け】

二種電気工事士の筆記試験において、電線の抵抗に関する問題が頻出であり、平成21~29年度の試験で90%以上の確率で出題されている。

この問題は下記の公式を用いれば解ける問題であるため、是非マスターしてほしい。

※この記事は旧電気ライブラリーに掲載されていたもののリライト記事になります。

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電線の抵抗の式

図1のような電線の諸元が与えられている場合の抵抗$R$の式を考える。

図1 電線の諸元

【電線の太さが直径で与えられる場合】

$$R=\frac{4\rho L}{\pi D^2}[\Omega] ・・・(1)$$

【電線の太さが断面積で与えられる場合】

$$R=\rho\frac{L}{S}[\Omega] ・・・(2)$$

電気工事士の試験においては、公式を答えるだけの問題も出題されることがあるので、上記の公式を覚えておくことは重要である。

ただし、直径の単位が[mm]で示されることが多いので、単位に注意する。

その他、2つの電線の抵抗値を比較して何倍かを求める問題や、近い抵抗値の電線を選ぶ問題などが出題される。

電線の抵抗:例題

平成29年度上期 問3

$A,\ B\ $2本の同材質の銅線がある。$A$は直径$1.6\mathrm{mm}$, 長さ$20\mathrm{m}$, $B$は直径$3.2\mathrm{mm}$, 長さ$40\mathrm{m}$である。

$A$の抵抗は$B$の抵抗の何倍であるか。

解説

問題文で、銅線の太さを直径$D$で表しているので、式$(1)$を用いる。

各電線の抵抗を$R_A$および$R_B$とすると、抵抗率$\rho$は同材質なので同じであり、$A$と$B$の電線の直径と長さをそれぞれ$(1)$式に代入する。

※直径の単位が$[\mathrm{mm}]$なので注意すること。

$$\begin{align*}
R_A&=\frac{4\rho\times20}{\pi\times\left(1.6\times10^{-3}\right)^2}=\frac{80\rho}{2.56\pi}\times10^6\\\\
R_B&=\frac{4\rho\times40}{\pi\times\left(3.2\times10^{-3}\right)^2}=\frac{160\rho}{10.24\pi}\times10^6
\end{align*}$$

2つの抵抗の比を求めると、

$$\frac{R_A}{R_B}=\frac{\displaystyle{\frac{80\rho}{2.56\pi}\times10^6}}{\displaystyle{\frac{160\rho}{10.24\pi}\times10^6}}=2$$

以上より、$A$の抵抗は$B$の抵抗の2倍となる。

平成28年下期 問3

直径$2.6\mathrm{mm}$, 長さ$10\mathrm{m}$の銅導線と抵抗値が最も近い同材質の銅導線はどれか。

イ. 直径$1.6\mathrm{mm}$, 長さ$20\mathrm{m}$
ロ. 断面積$5.5\mathrm{{mm}^2}$, 長さ$10\mathrm{m}$
ハ. 直径$3.2\mathrm{mm}$, 長さ$5\mathrm{m}$
ニ. 断面積$8\mathrm{{mm}^2}$, 長さ$10\mathrm{m}$

解説

導線の太さを直径$D[\mathrm{mm}]$と断面積$S[\mathrm{{mm}^2}]$で表しているので、$(1)$および$(2)$式を用いる。

問題文および選択肢イ、ロ、ハ、ニそれぞれの抵抗値を$R_0,\ R_1,\ R_2,\ R_3,\ R_4$とすると、$(1)$および$(2)$式より、

$$\begin{align*}
R_0&=\displaystyle{\frac{4\rho\times10}{\pi\times\left(2.6\times10^{-3}\right)^2}}\fallingdotseq1.884\times10^6\rho[\Omega]\\\\
R_1&=\displaystyle{\frac{4\rho\times20}{\pi\times\left(1.6\times10^{-3}\right)^2}}\fallingdotseq9.947\times10^6\rho[\Omega]\\\\
R_2&=\displaystyle{\frac{\rho\times10}{5.5\times10^{-6}}}\fallingdotseq1.818\times10^6\rho[\Omega]\\\\
R_3&=\displaystyle{\frac{4\rho\times5}{\pi\times\left(3.2\times10^{-3}\right)^2}}\fallingdotseq0.6217\times10^6\rho[\Omega]\\\\
R_4&=\displaystyle{\frac{\rho\times10}{8\times10^{-6}}}\fallingdotseq1.250\times10^6\rho[\Omega]\end{align*}$$

したがって、問題文の銅導線の抵抗値$R_0$と最も近いのは$R_2$であり、正解の選択肢は「ロ」となる。

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最後に

電線の抵抗に関して、下記の関係性を覚えておくとよい。

  • 電線の抵抗は電線の長さと抵抗率に比例し、断面積または直径の2乗に反比例する。
  • 電線の抵抗が大きくなると、電線の許容電流は小さくなる。
  • 周囲の温度が上昇すると、導体の抵抗率が大きくなるため、抵抗は大きくなり、許容電流は小さくなる。

本記事で解説した問題以外にも、電線の許容電流に関する問題も出題されることがある。

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