- 2019年5月7日
鎖交磁束関係式のd-q-0変換
本記事では、「発電機巻線と鎖交磁束の関係式」で導出したインダクタンスの式を$d-q-0$変換し、発電機の挙動を$d-q-0$成分量で表すための式をまとめる。 変換行列の書き換え 鎖交磁束関係式の変換の計算をより簡潔に行うための準備として、変換行列の書き換えを行う。 $d-q-0$変換の変換行列$\boldsymbol{D}(t)$および逆変換行列$\boldsymbol{D^{-1} […]
本記事では、「発電機巻線と鎖交磁束の関係式」で導出したインダクタンスの式を$d-q-0$変換し、発電機の挙動を$d-q-0$成分量で表すための式をまとめる。 変換行列の書き換え 鎖交磁束関係式の変換の計算をより簡潔に行うための準備として、変換行列の書き換えを行う。 $d-q-0$変換の変換行列$\boldsymbol{D}(t)$および逆変換行列$\boldsymbol{D^{-1} […]
本記事では、発電機における電圧の関係式であるパークの方程式に続き、発電機の挙動を表す上で重要な発電機巻線の鎖交磁束の関係式について考える。 発電機巻線の鎖交磁束関係式 電機子巻線 図1の発電機の基本回路において、電機子巻線の鎖交磁束と電流について、下記の式が成り立つ。 図1 発電機の基本回路 $$\begin{align*}\left(\begin{array}{c} \it{\Ps […]
発電機における電圧と電流の関係を表現する式に、パーク(Park)の方程式がある。 本記事では、パークの方程式の導出について考える。 発電機の三相電気量における基本式 発電機の基本回路 図1に発電機の基本回路を示す。同図において、電機子$a-b-c$相巻線は$\displaystyle{\frac{2}{3}}\pi$ずつずれて配置されている。 一方、界磁においては界磁巻線と制動巻線の […]
発電機は回転機であるゆえ、電圧・電流・磁束といった局所的な物理量は時間変化し、静止的な三相電気量を扱う$a-b-c$座標系ではその現象を把握しにくい。 このため、本記事ではパーク変換法という座標変換法により、系統の他の機器と同様に発電機を静止的座標系における回路として扱う方法を導入する。 発電機の基本構造 図1に三相同期発電機(二極機)の基本構造を示す。 図1 同期発電機の基本構造 […]
対称座標法によりa-b-c電気量を0-1-2領域に、クラーク変換法によりa-b-c電気量をα-β-0領域に変換することが可能となる。 では、0-1-2領域とα-β-0領域の相互関係はどうなるのか、またその計算のための変換行列について、本記事にて考えてみる。 a-b-c領域からの変換行列(再掲) まず、$a-b-c$領域を各領域に変換する行列について確認する。 本記事で扱う電気量はすべて電圧であるが […]
本記事では、電力系統全体に対称座標法計算を適用するため、1回線および2回線の送電線に対称座標法変換を適用した場合の計算式について記述する。 1回線送電線の対称座標法変換 1回線送電線の等価回路 図1に、1回線送電線の等価回路を示す。 図1 1回線送電線の等価回路 図1において、各端子-大地間の電圧の添字$s$は送電端(入力側)、$r$は受電端(出力側)を示している。 & […]
本記事では、実際の計算で使用するクラーク変換法の基本式について導出する。 α-β-0領域⇒a-b-c領域への変換 電圧のα-β-0⇒a-b-c変換式 今回扱う$a-b-c$領域の電気量ベクトルは、これまで用いてきたものと同様の図1のベクトルとする。 図1 $a-b-c$領域の電気量ベクトル 「クラーク変換法①」の$(1)$および$(2)$式より、$\alpha$電圧$\ […]
本記事では、対称座標法を用いた計算において重要な式である「発電機の基本式」を導入する。 発電機の内部等価回路 「発電機の基本式」を導入するにあたり、まずは適用する回路について考える。 図1は、発電機を「三相平衡した理想電圧源」で表した内部等価回路を示している。 図1 発電機の内部等価回路 図1に示す各電気量および定数の詳細は下記となる。 $\dot{E}_a,\ \do […]
「零相成分」および「正相成分と逆相成分」の記事にて、任意の三相電気量の各相成分($a-b-c$領域における電気量)を、零相・正相・逆相の各成分($0-1-2$領域における電気量)へ変換するための考察を行った。 本記事では、実際の計算で使用する対称座標法変換の基本式について導出する。 対称座標法における零相成分 任意の三相電気量(電圧)を$\dot{V}_a,\ \dot{V}_b,\ \dot{V […]
本記事では、クラーク変換法と、その対称座標法との相関関係について考察する。 a―b-c領域→対称分領域への変換 「対称座標法における正相成分と逆相成分」の記事において、三相電気量($a-b-c$領域)は対称分領域($0-1-2$領域)に変数変換できることが分かった。 対称座標法と同様に、「クラーク変換法」という変数変換法は、$a-b-c$領域の値を「$\alpha-\b […]