風圧荷重によるモーメントの計算

スポンサーリンク

風圧荷重によるモーメント計算:例題

出典:電験一種筆記試験「送配電」 平成4年問3

配電線路の径間が等しい直線部分に、長さ・元口直径および直径増加係数がそれぞれ$14\mathrm{m},\ 0.278\mathrm{m}$および$1/160$である図1の鉄筋コンクリート柱(設計荷重$500\mathrm{kg}$)がある。

根入れを$2.4\mathrm{m}$とし、高圧電線$\mathrm{ACSR\ OE}\ 120\mathrm{mm^2}$(直径$18.6\mathrm{mm}$)$3$条を頂部から$0.25\mathrm{m}$下に架線して施設した場合の限界径間$\mathrm{[m]}$を、甲種風圧荷重について求めよ。

ただし、電柱の安全率は$2$とし、風は線路に対して直角方向から吹いた最悪の状況を想定し、基礎の強度など他の条件は考えないものとする。

また、設計荷重とは電柱の頂部より$0.25\mathrm{m}$下の点での許容抵抗モーメントの荷重であり、甲種風圧荷重は、コンクリー卜柱にあっては$80\mathrm{kg/m^2}$,高圧電線にあっては$100\mathrm{kg/m^2}$とする。

図1 鉄筋コンクリート柱と高圧電線

地上におけるコンクリート柱の寸法

図1において、地表におけるコンクリート柱の直径は、題意の直径増加係数を用いて、

$$0.278-2.4\times\frac{1}{160}=0.263\mathrm{m}$$

次に、コンクリート柱の末口直径は、

$$0.278-14\times\frac{1}{160}=0.1905\mathrm{m}$$

また、地上部分の高さは、

$$14-2.4=11.6\mathrm{m}$$

上記の計算結果に基づき、地上におけるコンクリート柱の寸法を追記したものを図2に示す。

図2 コンクリート柱の寸法

スポンサーリンク

風圧荷重の計算

コンクリート柱に作用する風圧荷重

コンクリー卜柱に作用する風圧荷重によるモーメント$M_p$を求める。

※本項の計算においては、フォロワーのHiroKさんが詳しく解説してくださったので、参考に掲載する。

風圧荷重を求めるには柱の風に対する投影図形、すなわち図2の正面からみる台形を考えればよい。

ここで、地面から$x[\mathrm{m}]$の距離にある微小距離$dx[\mathrm{m}]$の幅を持つ帯を考える。

この帯の面積$dS[\mathrm{m^2}]$は、

$$dS=\left(0.263-\frac{x}{160}\right)dx[\mathrm{m^2}]$$

この$dS$に作用する風圧荷重モーメント$dM_p$は、コンクリート柱における風圧荷重が$80\mathrm{kg/m^2}$であることより、

$$\begin{align*}
dM_p&=80\times dS\times x=80\left(0.263-\frac{x}{160}\right)xdx\\\\
&=\left(21.04x-0.5x^2\right)dx[\mathrm{kg\cdot m}]\end{align*}$$

したがって、コンクリート柱全体に作用する風圧荷重モーメント$M_p[\mathrm{kg\cdot m}]$は、

$$\begin{align*}
M_p&=\int^{11.6}_{0}{dMp}\\\\
&=\int^{11.6}_{0}{\left(21.04x-0.5x^2\right)dx}\\\\
&=\left[\frac{21.04}{2}x^2-\frac{0.5}{3}x^3\right]^{11.6}_{0}\\\\
&=1155.4\mathrm{kg\cdot m}
\end{align*}$$

電線に作用する風圧荷重

次に、電線に作用する風圧荷重によるモーメント$M_w$を求める。

コンクリート柱の両側の径間を$S[\mathrm{m}]$とすると、この$S[\mathrm{m}]$の長さの電線に作用する風圧荷重を考えればよい。

電線の直径は$18.6[\mathrm{mm}]$,風圧荷重は$100\mathrm{kg/m^2}$であるから、コンクリート柱の電線支持点に働く荷量を求めると、電線は$3$条であることに注意して、

$$100\times\left(18.6\times10^{-3}\times S\right)\times3=5.58S[\mathrm{kg}]$$

したがって、この荷重によるモーメン卜$M_w$は、

$$M_w=5.58S\times\left(11.6-0.25\right)=63.333S[\mathrm{kg\cdot m}]$$

限界径間の算出

コンクリート柱に作用するモーメン卜$M$は、これまでの検討結果より、

$$M=M_p+M_w=1155.4+63.333S[\mathrm{kg\cdot m}]$$

一方、コンクリート柱の許容抵抗モーメン卜$M_r$は、

$$M_r=500\times\left(11.6-0.25\right)=5675[\mathrm{kg\cdot m}]$$

設計上、コンクリート柱および電線に作用する風圧荷重によるモーメントの合計値$M$が、 安全率を考慮したコンクリー卜柱の許容抵抗モーメント$M_r$以下であればよい。

安全率は$2$であるという条件から、上記を式で表すと、

$$\begin{align*}
2\times M&\leqq M_r\\\\
2\times\left(1155.4+63.333S)\right)&\leqq5675\\\\
\therefore S&\leqq 26.56
\end{align*}$$

求めるべき限界径間は、$\underline{S=26.56\mathrm{m}}$となる。

スポンサーリンク