火力発電所の大気汚染防止対策

本記事では、火力発電所の大気汚染物質の種類と汚染防止対策について記述する。

大気汚染物質の種類

ばいじん

燃料中の不燃物質および燃焼後の灰およびすす。

 

硫黄酸化物

燃料中の硫黄分によるSO2およびSO3

 

窒素酸化物

燃料中の窒素分によるNOxと、空気中の窒素によるNOx

 

窒素酸化物の発生原因は次の二つ。

  1. 燃料の燃焼に伴い燃料中の窒素(N)分が酸素と反応して生成されるもの(Fuel NOx)。
  2. 焼用空気中の窒素と酸素が反応して生成されるもの(Thermal NOx)。燃焼温度が高いほど多く発生する。

 

※LNG中には、硫黄分、窒素分および灰分はほとんど含まれない。

 

その他

二酸化炭素CO2がある。

 

 

大気汚染防止対策

ばいじん

ばいじんの発生防止対策

  • 良質燃料を使用する。
  • 液体燃料の場合、霧化をよくして噴霧粒径を小さくする。
  • 火炎が燃焼室壁に接触しないようにする。
  • 燃焼室の設計に適した空気比を保ち、燃料と空気の良好な混合を行わせる。
  • 燃焼管理を徹底し、燃料を完全燃焼させる。
  • 自動燃焼制御システムを採用し、出力変動時の汚染物質の発生量を低減する。

 

ばいじんの排出防止対策

  • 遠心力集じん装置(サイクロン集じん装置)
  • 電気集じん装置
  • ろ過集じん装置(バグフィルタ)

などの集じん装置を設置することである。

 

硫黄酸化物

硫黄酸化物の発生防止対策

  • 硫黄分の少ない良質の燃料(低硫黄重原油、硫黄分ゼロのLNG)を使用する。

 

硫黄酸化物の排出防止対策

  • 排煙脱硫装置の設置

    排煙脱硫装置は大別して、活性炭・活性二酸化マンガンなどの固体吸着剤にNO2を吸収除去する乾式法と、アンモニア・石灰石などの溶液またはスラリー液でNO2を吸収除去する湿式法に分けられる。
    これらのうち、湿式法が多く採用されており、脱硫率は一般に80~90%程度となっている。
  • 硫黄分が少ない低硫黄石炭を使用する。
  • 流動層燃焼ボイラでは、流動媒体に脱硫剤を注入することにより炉内脱硫が可能である。

 

窒素酸化物

窒素酸化物の発生防止対策

  • N分の少ない燃料を使用する。
  • 酸素濃度の低減⇒過剰空気率を低減する。
  • 燃焼温度の低減⇒二段燃焼法の採用。
  • 高温域での燃焼ガスの滞留時間の短縮⇒排ガス再循環法の採用。
  • 低NOxバーナの採用。

 

窒素酸化物の排出防止対策

  • 排煙脱硝装置の設置

乾式法には、代表的な方法として排ガス中にアンモ二アを注入して触媒によりNOxを窒素と酸素に分解する接触還元法があり、他に無触媒還元法。乾式活性炭法、電子線法などがある。

湿式法には、アル力リ吸収液にNOxを吸収して除去するアル力リ吸収法の他、酸化還元法、酸化吸収法などがあるが、全般的に開発段階のものが多い。

 

二酸化炭素

二酸化炭素の回収技術そのものはすでに確立されているが、これを火力発電所のような大量発生源に適用するのはまだ困難で、適用事例はない。

 

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