タービン発電機の特徴

火力発電所および原子力発電所におけるタービン発電機について。
参考として水車発電機についても説明する。

火力タービン発電機

(出典:三菱日立パワーシステムズ

回転速度

回転速度は3000[min-1]@50Hz、3600[min-1]@60Hzと高速。

軸の設置方向

横軸型。回転速度が速いことから、軸方向に細長い構造となっており、軸受にはスラスト軸受が採用される。

主軸の材料

小容量機では炭素鋼、大容量機ではNi-Mo-VまたはNi-Cr-Mo-V鋼などが使用される。

構造

回転子は高速度で遠心力による応力が大きいため、ほとんど円筒回転界磁型が採用される。

構造は、回転子軸に半径方向の多数のスロットを軸方向に切り込んで回転子コイルを入れ、その上にくさびを挿入した後、回転子端部にコイル保持環を軸材に焼きばめ、またはバインド線を巻いてコイル端子が回転遠心力を受けて、外方に飛出すのを保護する。

原子力タービン発電機

(出典:gooニュース 2009年3月16日

回転速度

タービン低圧段で湿り度が増加するので、羽根の浸食を減らすため、回転速度は1500[min-1]または1800[min-1]となる。回転数が低いので風損が減少し、界磁銅損、漂遊負荷損も少なくなるので、効率が高くなる。

回転速度が2極機の半分であり、軸長を同じにすると同一容量の回転子半径は1.5倍程度なので、遠心力は小さくなる。危険速度も高くなるので、定格速度とのバランスはとりやすい。

軸の設置方向

火力用タービン発電機と同様に三相同期横軸回転界磁型発電機となる。

同一出力を得るためには使用蒸気量が火力タービンの1.6~1.8倍になるので、タービンおよび復水器が非常に大型になる。このため、最終段の翼長を大きくしてケーシングの胴を太くしたり、低圧タービンを複流化して軸方向寸法を伸ばす必要がある。

構造

・4極機であるため、界磁巻線1極当たりの励磁起磁力が少なく、界磁巻線の銅量も増加可能である。かつ、励磁容量および界磁銅損が60%程度減少するので、ラジアルフロー形直接冷却方式が採用される。

・タービン入口の湿り度が0.25~0.4%程度なので、最終段の湿分を許容値以下に収めるため、各段落に湿分分離機能をもたせてドレン分離したり、高圧タービンと低圧タービンの連絡管の途中に湿分分離器が設置される。

その他特徴・注意事項

・原子力タービンは原子炉から直接または蒸気発生器を経てその蒸気が供給されるので、燃料その他の温度制限から蒸気条件が悪く、タービン入口で飽和温度であることが多い。

・沸騰水型は原子炉の放射能を帯びた蒸気がタービンに流入するため、放射線遮蔽、放射性気体廃棄物処理が必要である。

水車発電機

(出典:東京電力ホールディングス

回転速度

100~600[min-1]程度と低速である。

軸の設置方向

立軸型(大容量機)と横軸型(小容量機)とに分けられる。近年においては、立軸型が広く採用されている。

主軸の構成

主軸は水車からのトルク伝達、スラスト荷重の伝達、および軸剛性を確保する機能が要求され、通常は段鋼製だが、大容量低速機ではトルクが大きくなるため径を大きくする必要があり、溶接構造が採用されることもある。

構造

回転子には突極型が用いられる。
これは直流機に似た、突出した磁極を回転子継鉄に植え込んだものであり、磁極面のギャップの寸法を両端へいくほど大きくすることによって正弦波に近い磁束密度分布が得られることと、界磁巻線の冷却が容易であることが特徴である。