本記事では、各電線の種類とその特徴について記述する。
ケーブルの種類
ケーブルとは、導体に絶縁を施した1本1本の絶縁電線の上に、シース(保護外被覆)を施した電線のことをいう。
ケーブルは、構成素材および芯数が変わることにより、その許容電流も変化する。
また、それに応じてケーブルの柔らかさや強さが変わり、使用する環境や用途も変わる。
シースとは、ケーブルの最も外側の被覆のことを指し、絶縁体をさらに保護するものをいう。
シース素材として天然ゴムやクロロプレンゴム(ネオプレン)、 ビニルなどがある。
600Vビニル絶縁ビニル外装ケーブル(VVF・VVR)
- IV線をビニル外装で覆ったもので、屋内・屋外・地中配線などで多用されている。
- VVFは平型、VVRは丸型を表す。
架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV)
- 難燃性・自消性に優れている。
- 許容温度は${90}^\circ\mathrm{C}$。
- 主にビルや工場など容量が大きい低圧配線で使用されている。
MIケーブル
- 耐水・耐熱・耐湿・耐燃・耐油・耐候性に優れ、高強度である。
- 導線と外装間に酸化マグネシウムなどの無機質の絶縁体が充填されている。
- 外装には金属が使用される。
キャブタイヤケーブル(CT)
- 通電状態のまま移動が可能である。
- ゴム系は耐摩耗性、耐衝撃性に優れている。
- ビニル系は柔軟性・耐水性・耐熱性に優れている。
絶縁電線の種類
絶縁電線とは、銅線などの導体をビニルやポリエチレンなどの絶縁体で覆ったものをいう。
600Vビニル絶縁電線(IV)
- 屋内配線に用いられ、許容温度は${60}^\circ\mathrm{C}$。
- 心線には単線およびより線があり、緑のIV線はアース線に用いられる。
600V二種ビニル絶縁電線(HIV)
- 絶縁体に耐熱ビニルを使用している。
- IV線よりも熱に強い電線で、許容温度は$75^\circ\mathrm{C}$。
600V耐燃性ポリエチレン絶縁電線(EM-IE)
- IV線と見た目は変わらないが、絶縁体にポリエチレンを使用している。
- 塩素は鉛成分を含んでいないので、人や環境にやさしく、許容温度は$75^\circ\mathrm{C}$。
引込用ビニル絶縁電線(DV)
- 電柱からの引き込み配線に使用される。
- 屋外で使用されるため、対候性・耐久性に優れている。
屋外用ビニル絶縁電線(OW)
- 構内に引き込まれてからの架空配線などに使用される。
- 主に架空配線に用いられるため、軽量に設計されている。
電線の接続条件
電線の接続が不完全だと、ジュール熱により接触不良部分が過熱し、火災などの原因となる。
電気設備の技術基準の解釈第12条には、電線の接続条件が下記のように定められている。
- 電線の電気抵抗を増加させないこと
- 電線の引張強さを$20\%$以上減少させないこと
- 接続部分には、リングスリーブや差込形コネクタを使用するか、またはろう付けすること
- ビニルテープなどの絶縁効力のあるもので十分に被覆すること(差込形コネクタの場合は除く)
- コード相互、ケーブル相互、またはこれらを相互接続するときはコード接続器、ジョイントボックス等を使用すること
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