- 2021年1月23日
一線地絡時の故障計算(零相インピーダンス以外を無視できる場合)
本記事では、零相インピーダンス以外が無視できる系統に発生する一線地絡故障に関する計算方法について、対称座標法を用いて解説する。 送電線の静電容量の対称座標法変換 送電線の充電電流と電圧の関係式 図1のような三相の送電線において、各相の対地静電容量$C_\mathrm{s}$,および線間静電容量$C_\mathrm{m}$が存在しているとする。 同図では簡単のため、よくねん架されている送電線を想定し […]
本記事では、零相インピーダンス以外が無視できる系統に発生する一線地絡故障に関する計算方法について、対称座標法を用いて解説する。 送電線の静電容量の対称座標法変換 送電線の充電電流と電圧の関係式 図1のような三相の送電線において、各相の対地静電容量$C_\mathrm{s}$,および線間静電容量$C_\mathrm{m}$が存在しているとする。 同図では簡単のため、よくねん架されている送電線を想定し […]
本記事では、故障計算時の基準相変換と、異地点同時故障時の計算について記載する。 基準相の変換方法 これまでの故障計算の記事では、電圧・電流の基準は基本的に$a$相となるよう考えてきた。 しかし、現実には$b$相および$c$相における事故もあり、かつ多相にわたり同時に事故が発生する場合もある。 上記のような場合において、$b$相および$c$相基準でも計算が可能となるよう、基準相の変換の […]
本記事では、三相電力系統における故障計算の各パターンをまとめる。 故障計算の回路モデル 図1に電源を含む三相電力系統における故障計算時の回路モデルを示す。 系統の任意の故障点から故障点端子$F$を仮想的に伸ばしたとして、$F$点の接続によって故障のモードを変更することとする。 図1 三相電力系統の故障計算時回路モデル また、次項以降、三相電力系統の故障前の$a$相電 […]
本記事では、二線断線時の故障計算について、電験一種の過去問(改題)を解いていく。 二線断線故障計算:例題 出典:電験一種筆記試験(旧制度)「送配電」 昭和62年度問3改題 図1に示すような三相三線式架空配電線路の中間点において、$b$,$c$相二線断線故障が発生した。 断線点負荷側に発生する零相電圧を求めよ。 ただし、断線点から見た電源側の零相インピーダンスを${_A}\dot{Z_ […]
一線断線時の故障計算について、例題として電験一種の過去問を解いていく。 今回取り上げる問題は近年の一種二次試験の問題の中でも計算量はトップレベルであり、それゆえに完答するためには正確な理解が求められる。 一線断線故障計算:例題 出典:電験一種二次試験「電力・管理」H26問3(※問題の記述を一部変更しています) 図1は1回線送電線を介して同期発電機、中性点を直接接地した昇圧変圧器から三相平衡負荷へ送 […]
二線地絡時の故障計算について、例題として電験一種の過去問を解いていく。 今回は対称座標法は使用せず、電圧不平衡回路の計算によって解いている。 二線地絡故障計算:例題 出典:電験一種二次試験「電力・管理」平成13年度問4(※問題の記述を一部変更しています) 図1のような非接地方式の6.6kV平衡三相配電線(50Hz)のb, c相で地絡故障(地絡抵抗の大きさはb, c相とも同じ)が発生した。 このとき […]
本記事では、二相短絡時の故障計算について、例題として電験一種の過去問を解いていく。 二相短絡故障計算:例題 出典:電験一種二次試験「電力・管理」 平成21年度問4(※問題の記述を一部変更しています) $(1)$図1に示す系統において、77kV送電線の中間地点(変圧器$T_S$および$T_R$から等距離の地点)で$b-c$相間短絡事故が発生した場合、変圧器$T_S$の77kV側出口に設置された距離リ […]
三相短絡時の故障計算の例題として、今回は電験二種の過去問を取り上げる。 三相短絡故障の計算においては、パーセントインピーダンスの計算が絡むことが多いため、どのように使用されるかをみていく。 三相短絡故障計算:例題 出典:電験二種二次試験「電力・管理」平成28年度問6 図1は、送電線から受電した$66\mathrm{kV}$を$20\mathrm{MVA}$変圧器で降圧して$6.6\mathrm{k […]
本記事では三相短絡時の故障計算について、例題として電験一種の過去問を解いていく。 今回、四端子定数の計算と絡めた問題を選定した。このような融合問題は最近は出題がないが、前半は四端子定数、後半は三相短絡故障計算の基本知識を用いて解くことができる。 三相短絡故障計算:例題 出典:電験一種筆記試験(旧制度)「送配電」平成3年度問1 四端子定数が$\dot{A}=\dot{D}=0.97,\ \dot{B […]
本記事では、一線地絡時の故障計算について、例題として電験一種の過去問を解いていく。 一線地絡故障計算:例題 出典:電験一種二次試験「電力・管理」平成24年度問3(※問題の記述を一部変更しています) 図1に示すように,送電線両端の変圧器の中性点が直接接地されている。 こう長$200\mathrm{km}$の$500\mathrm{kV}$並行2回線送電線を考える。 この送電線の中間地点 […]