電線の許容電流【電気工事士向け】

第二種電気工事士の筆記試験では電線の許容電流に関する問題が頻出であり、平成21~29年度の試験においては90%以上の確率で出題されている。

この種の問題は電線の許容電流を覚えれば解ける問題ゆえ、マスターすることを推奨する。

絶縁電線の許容電流

電線の許容電流は、電線に流すことができる電流の最大値のことで、許容電流を超えると発熱による被覆の劣化や火災発生の恐れがある。

 

電線の抵抗値が大きい程、ジュールの法則により発熱量が多くなるため、許容電流は小さくなる。
また、電線が太いほど電線の抵抗は小さくなり、許容電流は大きくなる。

 

ここで、絶縁電線の許容電流を表1および表2に示す。

 

表1 絶縁電線(単線)の許容電流

単線の直径許容電流
$1.6\mathrm{mm}$$27\mathrm{A}$
$2.0\mathrm{mm}$$35\mathrm{A}$
$2.6\mathrm{mm}$$48\mathrm{A}$
$3.2\mathrm{mm}$$62\mathrm{A}$

 

表2 絶縁電線(より線)の許容電流

単線の断面積許容電流
$2.0\mathrm{mm^2}$$27\mathrm{A}$
$3.5\mathrm{mm^2}$$37\mathrm{A}$
$5.5\mathrm{mm^2}$$49\mathrm{A}$
$8.0\mathrm{mm^2}$$61\mathrm{A}$
$14\mathrm{mm^2}$$88\mathrm{A}$
$22\mathrm{mm^2}$$115\mathrm{A}$

 

電気工事士の筆記試験では、電線の太さが直径または断面積で表されるので、よく問題を読むことを推奨する。

 

なお、表1に示す単線の許容電流、および表3に示す直径と断面積の換算値を覚えておけば、より線の許容電流を表2を覚えずとも簡単に導き出すことができる。

 

表3 電線の直径と断面積の換算

電線の直径電線の断面積
$1.6\mathrm{mm}$$2.0\mathrm{mm^2}$
$2.0\mathrm{mm}$$3.5\mathrm{mm^2}$
$2.6\mathrm{mm}$$5.5\mathrm{mm^2}$
$3.2\mathrm{mm}$$8.0\mathrm{mm^2}$

 

電流減少係数

ケーブルの場合や、電線を金属管などの管内に収めると、熱放散が悪くなる。

また、電線の本数が多いほど、許容電流は小さくなる。

 

電線の許容電流は表4に示す電流減少係数を掛けた値となる。

(電線減少係数は問題文に記載されているので、参考程度に覚えておいてほしい)

 

表4 電流減少係数

管内の電線数電流減少係数
$3$本以下$0.7$
$4$本$0.63$
$5~6$本$0.56$

 

 

電線の許容電流:例題

平成29年度上期 問7

金属管による低圧屋内配線工事で、管内に直径$2.0\mathrm{mm}$の$600\mathrm{V}$ビニル絶縁電線2本を収めて施設した場合、電線1本当たりの許容電流$[\mathrm{A}]$はいくらか。

ただし、周囲温度は$30^\circ$以下、電線減少係数は$0.7$とする。

 

解説

電線の太さが直径$[\mathrm{mm}]$で表されているので、電線は単線である。

$2.0\mathrm{mm}$の単線の許容電流は表1より$35\mathrm{A}$なので、この値に電線減少係数$0.7$をかけると、 $35\times0.7=24.5\mathrm{A}$となる。

許容電流を求めるときは、小数点第一位を7捨8入するので、$24.5\rightarrow\bf{24\mathrm{A}}$となる。

 

以上より、許容電流に関する問題は、表1および表2を覚えていれば簡単に解くことができるため、同表を試験直前に見ることを推奨する。

 

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