第二種電気工事士筆記試験問題・解説【平成28年度下期 問1~10】

本記事では、第二種電気工事士筆記試験のうち「平成28年度下期 問1~10について解説する。





問1

問題

図のような回路で、電流計の値が$1\mathrm{A}$を示した。

このときの電圧計の指示値$[\mathrm{V}]$は。

 

 

イ.$16$  ロ.$32$  ハ.$40$  ニ.$48$

 

解説

問題の図の接続点として、点$\mathrm{a,\ b,\ c}$を下図のように定め、回路全体に流れる電流を$I[\mathrm{A}]$,回路の各電流を$I_1,\ I_2,\ I_3[\mathrm{A}]$とする。

 

 

点$\mathrm{a-b}$間の電圧$V_{\mathrm{ab}}[\mathrm{V}]$は、

$$V_{\mathrm{ab}}=8\times1=8\mathrm{V}$$

 

したがって、回路の各電流$I_1,\ I_2,\ I_3$は、

$$\begin{cases}
I_1&=\displaystyle{\frac{8}{4+4}}=1\mathrm{A}\\\\
I_2&=\displaystyle{\frac{8}{4}}=2\mathrm{A}\\\\
I_3&=1\mathrm{A}
\end{cases}$$

 

ゆえに、電流$I[\mathrm{A}]$は、

$$\begin{align*}
I&=I_1+I_2+I_3\\\\
&=1+1+2\\\\
&=4\mathrm{A}
\end{align*}$$

 

求める電圧計の指示値$V_{\mathrm{bc}}[\mathrm{V}]$は、

$$V_{\mathrm{bc}}=4\times4=\boldsymbol{16\mathrm{V}}$$

 

よって「イ」が正解となる。

 

問2

問題

図のような回路で、スイッチ$\mathrm{S_1}$を閉じ、スイッチ$\mathrm{S_2}$を開いたときの、端子$\mathrm{a-b}$間の合成抵抗$[\Omega]$は。

 

 

イ.$45$  ロ.$60$  ハ.$75$  ニ.$120$

 

解答

スイッチ$\mathrm{S_1}$を閉じた場合、$\mathrm{S_1}$に並列に接続している$30[\Omega]$は、電流が流れないために無視できる。

また、スイッチ$\mathrm{S_2}$を開くと、右端の$30[\Omega]$にも電流が流れないため無視できる。

 

したがって、設図より、右図のような簡略化した回路にすることができる。

 

 

 

ゆえに、$\mathrm{a-b}$間の合成抵抗$R_\mathrm{ab}[\Omega]$は 、

$$R_\mathrm{ab}=30+30=60\Omega$$

 

よって「ロ」が正解となる。

 

問3

問題

直径$2.6\mathrm{mm}$,長さ$10\mathrm{m}$の銅導線と抵抗値が最も近い同材質の銅導線は。

イ.直径$1.6\mathrm{mm}$,長さ$20\mathrm{m}$

ロ.断面積$5.5\mathrm{mm^2}$,長さ$10\mathrm{m}$

ハ.直径$3.2\mathrm{mm}$,長さ$5\mathrm{m}$

ニ.断面積$8\mathrm{mm^2}$,長さ$10\mathrm{m}$

 

解説

抵抗率$\rho[\mathrm{\Omega\cdot mm^2/m}]$,長さ$l[\mathrm{m}]$,断面積$A[\mathrm{mm^2}]$とした場合、銅導線の抵抗$R[\Omega]$は、

$$R=\frac{\rho l}{A}[\Omega] ・・・(1)$$

 

断面積$A[\mathrm{mm^2}]$を直径$D[\mathrm{mm}]$の円とした場合、$A[\mathrm{mm^2}]$は、

$$A=\rho\frac{\pi D^2}{4}[\mathrm{mm^2}] ・・・(2)$$

 

$(2)$式を$(1)$式へ代入すると、

$$R=\frac{4\rho l}{\pi D^2}[\Omega] ・・・(3)$$

 

問題の銅導線の抵抗$R[\Omega]$は、$(3)$式より、

$$R=\frac{4\rho\times10}{\pi\times2.6^2}=1.88\rho[\Omega]$$

 

一方、イ・ロ・ハ・ニの抵抗値$R_1,\ R_2,\ R_3,\ R_4[\Omega]$は、

$$\begin{cases}
R_1&=\displaystyle{\frac{4\rho\times20}{\pi\times1.6^2}}&\fallingdotseq9.95\rho[\Omega]\\\\
R_2&=\displaystyle{\frac{10\rho}{5.5}}&\fallingdotseq1.82\rho[\Omega]\\\\
R_3&=\displaystyle{\frac{4\rho\times5}{\pi\times3.2^2}}&\fallingdotseq0.622\rho[\Omega]\\\\
R_4&=\displaystyle{\frac{10\rho}{8}}&=1.25\rho[\Omega]\end{cases}$$

 

以上の結果より、$\boldsymbol{R_2=1.82\rho\Omega}$が最も近い値となる。

よって「ロ」が正解となる。

 

問4

問題

図のような交流回路で、電源電圧$102\mathrm{V}$,抵抗の両端の電圧が$90\mathrm{V}$,リアクタンスの両端の電圧が$48\mathrm{V}$であるとき、負荷の力率$[\%]$は。

 

 

イ.$47$  ロ.$69$  ハ.$88$  ニ.$96$

 

解答

図の交流回路において、流れる電流を$I[\mathrm{A}]$,抵抗の両端の電圧を$V_{\mathrm{R}}[\mathrm{V}]$,リアクタンスの両端の電圧を$V_{\mathrm{L}}[\mathrm{V}]$,回路全体の電圧を$V[\mathrm{V}]$とすると、ベクトル図は下記のようになる。

 

 

したがって、回路の力率$\cos\theta$は、

$$\begin{align*}
\cos\theta&=\frac{V_{\mathrm{R}}}{V}\\\\
&=\frac{90}{102}\\\\
&\fallingdotseq0.882\rightarrow\boldsymbol{88\%}
\end{align*}$$

 

よって「ハ」が正解となる。

 

問5

問題

図のような三相負荷に三相交流電圧を加えたとき、各線に$20\mathrm{A}$の電流が流れた。

線間電圧$E[\mathrm{V}]$は。

 

 

イ.$120$  ロ.$173$  ハ.$208$  ニ.$240$

 

解答

図の$\mathrm{Y}$結線の抵抗負荷で、線電流を$I_l[\mathrm{A}]$,相電流を$I_p[\mathrm{A}]$,相電圧を$E_p[\mathrm{V}]$とした場合、$I_p=I_l=20\mathrm{A},\ E=\sqrt{3}E_p[\mathrm{V}]$となるから、回路の抵抗を$R[\Omega]$とすると、線間電圧$E[\mathrm{V}]$は、

$$\begin{align*}
E&=\sqrt{3}RI_p\\\\
&\fallingdotseq1.73\times120\\\\
&=207.6\mathrm{V}\\\\
&\fallingdotseq\boldsymbol{208\mathrm{V}}
\end{align*}$$

 

よって「ハ」が正解となる。

 

 

問6

問題

図のような単相3線式回路において、電線1線当たりの抵抗が$0.1\Omega$のとき、$\mathrm{a-b}$間の電圧$[\mathrm{V}]$は。

 

 

イ.$99$  ロ.$100$  ハ.$101$  ニ.$102$

 

解答

図の左端の端子に点$\mathrm{A}$および点$\mathrm{B}$を定めて、電線1線当たりの抵抗を$r[\Omega]$とする。

また、抵抗負荷に流れる電流をそれぞれ$I_1[\mathrm{A}],\ I_2[\mathrm{A}]$とする。

 

 

点$\mathrm{A-B}$間の電圧降下$v_{\mathrm{AB}}[\mathrm{V}]$は、

$$\begin{align*}
v_{\mathrm{AB}}&=rI_1+r\left(I_1-I_2\right)\\\\
&=0.1\times20+0.1\times\left(20-10\right)\\\\
&=3\mathrm{V}
\end{align*}$$

 

$\mathrm{a-b}$間の電圧$V_{\mathrm{ab}}[\mathrm{V}]$は、$\mathrm{A-B}$間の電圧$V_{\mathrm{AB}}=103\mathrm{V}$から電圧降下$v_{\mathrm{AB}}[\mathrm{V}]$を差し引いたものであるから、

$$\begin{align*}
V_{\mathrm{ab}}&=V_{\mathrm{AB}}-v_{\mathrm{AB}}\\\\
&=103-3\\\\
&=100\mathrm{V}
\end{align*}$$

 

よって「ロ」が正解となる。

 

問7

問題

金属管による低圧屋内配線工事で、管内に直径$2.0\mathrm{mm}$の$600\mathrm{V}$ビニル絶縁電線(軟銅線)4本を収めて施設した場合、電線1本当たりの許容電流$[\mathrm{A}]$は。

ただし、周囲温度は$30^\circ\mathrm{C}$以下、電流減少係数は$0.63$とする。

イ.$17$  ロ.$22$  ハ.$30$  ニ.$35$

 

解答

直径$2.0\mathrm{mm}$の$600\mathrm{V}$ビニル絶縁電線(軟銅線)の許容電流は$35\mathrm{A}$である。

 

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電流減少係数が$0.63$であるから、電線1本当たりの許容電流$[\mathrm{A}]$は、

$$35\times0.63=22.05\mathrm{A}\rightarrow\boldsymbol{\underline{22\mathrm{A}}}$$

 

よって「ロ」が正解となる。

 

問8

問題

図のような三相3線式回路で、電線1線当たりの抵抗値が$0.15\Omega$,線電流が$10\mathrm{A}$のとき、この電線路の電力損失$[\mathrm{W}]$は。

 

 

イ.$2.6$  ロ.$15$  ハ.$26$  ニ.$45$

 

解答

問題の図の三相3線式回路で、電線1線当たりの抵抗値を$r[\Omega]$,線電流を$I[\mathrm{A}]$とすると、電力損失$P[\mathrm{W}]$は、$P=3\times I^2r$であるから、

$$P=3\times10^2\times0.15=\boldsymbol{45\mathrm{W}}$$

 

よって「ニ」が正解となる。

 

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問9

問題

低圧屋内配線の分岐回路の設計で、配線用遮断器、分岐回路の電線の太さ及びコンセントの組合せとして、適切なものは。

ただし,分岐点から配線用遮断器までは$3\mathrm{m}$,配線用遮断器からコンセントまでは$8\mathrm{m}$とし、電線の数値は分岐回路の電線(軟銅線)の太さを示す。

また、コンセントは兼用コンセントではないものとする。

 

 

解答

電技解釈第149条により、$20\mathrm{A}$分岐回路では、

  • 電線の太さ$1.6\mathrm{mm}$(または$2.0\mathrm{mm^2}$)以上
  • コンセントの定格電流は$20\mathrm{A}$以下

 

$30\mathrm{A}$分岐回路では、

  • 電線の太さ$2.6\mathrm{mm}$(または$5.5\mathrm{mm^2}$)以上
  • コンセントの定格電流は$20\mathrm{A}$以上$30\mathrm{A}$以下

でなければならない。

 

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選択肢について検証すると、

  • イは適切である。
  • ロは電線の太さが不適切である。
  • ハは定格電流$30\mathrm{A}$のコンセントなので不適切である。
  • ニは定格電流$15\mathrm{A}$のコンセントなので不適切である。

 

よって「イ」が正解である。

 

問10

問題

図のように定格電流$60\mathrm{A}$の過電流遮断器で保護された低圧屋内幹線から分岐して、$10\mathrm{m}$の位置に過電流遮断器を施設するとき、$\mathrm{a-b}$間の電線の許容電流の最小値$[\mathrm{A}]$は。

 

 

イ.$15$  ロ.$21$  ハ.$27$  ニ.$33$

 

解答

幹線の過電流遮断器の定格電流を$I_B$,分岐点から電線の許容電流を$I_W$とすると、電技解釈第149条により、分岐回路の過電流遮断器を分岐点から$8\mathrm{m}$を超えた位置に施設する場合は、$I_W$を$I_B$の$\boldsymbol{55\%}$以上にしなければならない。

 

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上記より、許容電流の最小値は、

$$0.55\times60=\boldsymbol{33\mathrm{A}}$$

 

よって「ニ」が正解となる。

 

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